2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22592089
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
片山 郁夫 長崎大学, 大学病院, 助教 (80295089)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中村 卓 長崎大学, 医歯(薬)学総合研究科, 教授 (30172406)
佛坂 由可 長崎大学, 大学病院, 講師 (10244089)
田代 茂樹 長崎大学, 医歯(薬)学総合研究科, 助教 (20300882)
角 忠輝 長崎大学, 医歯(薬)学総合研究科, 助教 (80284701)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 細胞老化 / FEN1 |
Research Abstract |
昨年度までに、ヒト腎がん細胞株T24およびヒト線維芽細胞株BJにおいてFEN1遺伝子をsiRNAによって抑制すると細胞老化が起こることを確認した。T24はp53遺伝子が変異し不活性であるのに対し、BJはp53が正常に機能している細胞である。よって、FEN1抑制による細胞老化促進機序にはp53は関与しないと考えられたが、BJにおいてp53を抑制するとFEN1抑制による細胞老化促進が抑制された。すなわち、FEN1抑制による細胞老化促進機序には、T24でみられるp53非依存的な経路とBJでみられるp53依存的な経路があることが示唆された。 本年度は、p53が正常なヒト大腸がん細胞株HCT116(p53+/+)とこの細胞のp53を欠失させた細胞HCT116(p53-/-)を用いsiRNAによるFEN1抑制の実験を行った。その結果、HCT116(p53+/+)では細胞老化は起こらず細胞死が起こった。HCT116(p53-/-)では細胞老化も細胞死も起こらなかった。しかしながら、HCT116(p53-/-)において、FEN1を抑制した後に電離放射線を照射すると、FEN1を抑制せずに電離放射線を照射したときと比較して、老化する細胞の割合が増加した。これらのことから、HCT116(p53+/+)ではFEN1抑制によってp53依存的に細胞死が起こること、HCT116(p53-/-)ではp53非依存的に細胞老化が促進することが示唆された。 今後、FEN1抑制によるp53依存的な細胞老化促進と細胞死の違いを検討して行きたい。すなわち、細胞老化する場合と細胞死する場合では、p53の活性化(リン酸化やアセチル化)に違いがあるのかどうか、その結果として細胞老化あるいは細胞死に関与することが報告されているp53の下流遺伝子の発現や活性化に違いがあるのかどうかを検討して行きたいと考えている。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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