2010 Fiscal Year Annual Research Report
リンパ管を標的とした口腔内ドラッグデリバリーシステム製剤の開発
Project/Area Number |
22592098
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Research Institution | Iwate Medical University |
Principal Investigator |
佐塚 泰之 岩手医科大学, 薬学部, 教授 (90162403)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
杉山 育美 岩手医科大学, 薬学部, 助教 (80509050)
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Keywords | 癌 / ナノバイオ / リンパ / DDS |
Research Abstract |
舌がんは口腔領域の癌疾患の約50%を占める最も発生頻度が高い疾患である。外科的切除を行っても所属リンパ節への転移が多く認められるため予後不良であることが知られている。このように高い頻度で発生する転移を抑制するためにドラッグデリバリーシステム(DDS)技術の応用が可能であると考えた。DDSとは、薬物を必要な部位に必要な量を必要な時間に送達する技術であり、くすりによる副作用を減少させたり長時間くすりの効果を持続させたりすること等を目的に使用される。本研究では、代表的なDDS製剤のひとつであるリボソームを用い、原発巣である舌がんの治療効果とその後転移すると考えられるリンパ節での予防効果の両方を期待し検討している。本年度は舌投与した制癌剤シスプラチンのリンパ節到達確認および舌とリンパ節への分布に与えるシスプラチン内封リボソームの粒子径の影響を評価した。マウス舌にシスプラチン溶液を投与し24時間後に白金量を測定した結果、リンパ節中で白金が認められたが舌においては検出されなかった。一方、リボソームを舌に投与した場合、舌およびリンパ節の両方で高い白金量が検出された。また、粒子径が100nmよりも800nmのときに舌内で高い白金量が得られ、リボソームの粒子径は白金の残存量に影響を及ぼすことが明らかとなった。以上の結果より、粒子径が800nmのリボソームは投与24時間後においても舌およびリンパ節に残存し、舌がんの治療及び予防効果を有する製剤となることが期待された。
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Research Products
(1 results)