2012 Fiscal Year Annual Research Report
クロルヘキシジン含有・歯科接着剤の抗菌性、接着耐久性の研究
Project/Area Number |
22592114
|
Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
平石 典子 東京医科歯科大学, 医歯(薬)学総合研究科, 助教 (20567747)
|
Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
|
Keywords | 接着歯学 / レジン / クロルヘキシジン / 抗菌作用 / 親水性 / 象牙質 |
Research Abstract |
医薬用殺菌薬のクロルヘキシジンは、これまでう窩の接着面に30秒程塗布だけで、歯質接着性の長期耐久性劣化を遅延する働きが報告されている。感染象牙質の残存細菌を減らす効果と共に、劣化原因として象牙質基質から放出されるMMP(Matrix Metalloproteinases)の阻害効果がある為である。両効果を備えるクロルヘキシジンを付加した歯科材料は、臨床において、一般レジン修復をはじめ、レジンセメント、歯内治療での根充レジンシーラーに応用が期待される。本研究ではBis-GMA、HEMAを主組成とした親水性の異なる試作歯科接着剤を用い、機械的、性状的の違い評価し、象牙質に対する短期及び長期接着性試験を行った。クロルヘキシジンを2%付加した接着剤は、付加しないコントロール群に比べ、短期接着力は低下せず、また長期接着強さの劣化は少なく、接着界面の劣化がみられなかった。これによりクロルヘキシジン付加により、接着剤からのクロルヘキシジンの徐効性の効果が、接着面の保護に寄与し、接着性能の耐久性向上につながったと示唆された。またmethyl methacrylateベースの歯科接着セメントにて、クロルヘキシジン含有歯科材料を作製し、試作試料からのクロルヘキシジンの有効放出量をHPLC等にて測定し、Streptococcus mutans やEnterococcus faecalisに対する抗菌性を報告した。結果、機械的および機能的効果が衰えない濃度での付加で、十分な抗菌性効果を有することを評価した。これまで短時間塗布でも有効性が報告されていたが、我々の結果はクロルヘキシジンを接着材料に付加させることで、クロルヘキシジンの放出、付加に伴う物性の変化、殺菌効果、象牙質コラーゲンの劣化抑制効果を検討し、長期接着性への影響を包括的にとらえた結果、臨床応用の可能性が示唆された。
|
Current Status of Research Progress |
Reason
25年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Strategy for Future Research Activity |
25年度が最終年度であるため、記入しない。
|