2012 Fiscal Year Annual Research Report
先天性無痛無汗症患者の歯髄感覚と歯髄神経支配との関連
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22592117
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
三輪 全三 東京医科歯科大学, 歯学部附属病院, 講師 (30157705)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 哲二 鶴見大学, 歯学部, 教授 (10162447)
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Project Period (FY) |
2010-10-20 – 2013-03-31
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Keywords | 先天性無痛無汗症 / 歯髄神経分布 / pre-pain / 歯髄感覚 / 歯髄組織 / 透過型光電脈波法(TLP) |
Research Abstract |
平成24年度(最終年度)は, 無痛無汗症患者から提供された抜去歯の組織切片をこれまでのPGP9.5抗体に対する免疫組織化学染色, 髄鞘の染まるルクソールファスト青染色の他に加えて新たに神経の軸索輸送の免疫染色法であるβIIItubulin 染色を施して観察した。4型の生活歯では, 健常者の歯髄の神経分布と比べて陽性線維は少なく, 確認できても僅かであるという結果であった。中には免疫染色に染まらない陰性線維もあるが, これは染色感度の低下なのか軸索輸送機能の低下なのかについては不明であるが、もし歯髄神経にAβ線維が多く観察されているのにもかかわらず pre-pain(PP)を感じないのは, PPの発生機序がAβ線維ではなくC線維という仮説が成り立つ。しかし, 今回 PPを全く感じないHSAN 4型の歯髄の組織観察において、健常者と比べてすべての神経線維そのものが非常に少なく,PPを感じる5型ではAβ線維が多く観察されたことは, やはりPPは太い有髄線維由来の感覚である可能性も否定できない。このことは、4型の患者はC線維が欠如するために痛みがないばかりか、軸索反射が生じないことにより損傷治癒が非常に遅いという臨床所見と一致する。また, 4型の歯の生死診断は感覚を指標とした歯髄電気診(EPT)は無効であるが, 血流を指標とした透過型光電脈波法(TLP)は有効であり, 治療歯の予後や骨髄炎等の診断に適用できること, また、4型と5型の鑑別診断として, 歯髄電気診(EPT)によるPPの有無(4型では14/15無し, 5型では5/5有り)を判定することが有用であることが二次的な成果と言える。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(4 results)