2010 Fiscal Year Annual Research Report
ケイ酸カルシウム系生体機能性セメントの開発とう蝕象牙質再石灰化能の探索
Project/Area Number |
22592118
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
児玉 臨麟 新潟大学, 医歯学系, 助教 (10272824)
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Keywords | ケイ酸カルシウム / 生体機能性 / ウ蝕抑制 / 歯内療法 / 象牙質知覚過敏症 / 歯髄修復 / 覆髄 / 脱灰、再石灰 |
Research Abstract |
本研究は,歯髄創傷部にミネラルの豊富な被蓋組織の形成や根尖部硬組織形成促進など,生体機能性を有するケイ酸カルシウム系歯科用セメントの創生を行う目的である。本年度における研究の進展と得られた結果について:1,ケイ酸カルシウム系生体機能性歯科用セメント材料の開発について 現段階ではケイ酸カルシウム系生体機能性歯科用セメント材料(以下:試作材料)の試作は、ひな形ともいえる形成段階に到達した。また、試作材料の成分、生体機能性、操作性、保存性、化学的安定性、再現性などについて、検討中である。 2,試作材料の化学的性質について ケイ酸カルシウム系材料の特徴として、適用される生体環境において、材料からカルシウムやシリコンイオンが多く放出される。これらのイオン成分は体液に含まれるリン酸成分と反応し、リン酸カルシウムを含むアパタイトやシリコン成分を含むアパタイトの形成が生じられることである。これらアパタイト成分によりセメントの使用部位において、歯髄露出の修復や根尖部病変組織への好影響など、重要な働きを生じられると考えられている。試作材料を用いた実験では、従来の輸入品を比較し、いずれの角度からも、材料からのカルシウムイオンやシリコンイオンの放出が多く認められ、リン酸成分を含む環境においてリン酸カルシウムを含むアパタイトの形成が検出された。 これまで、歯髄修復などに焦点が絞られて研究されているが、我々は、このほかに、ウ蝕組織の再修復について着目し、ウ蝕になった象牙質の保存に貢献できるか検討していきたい。現段階では、この種の材料による生体機能性のメカニズムに関する解明を行っているところで、次年度においては、材料開発の完成を目指しながら、この種の材料によるウ蝕歯質の再修復について検討していきたい。
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Research Products
(11 results)