2011 Fiscal Year Annual Research Report
機能性モノマーと光重合開始剤が歯質接着に及ぼす影響:分子レベルでの解析
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22592120
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
小河 達之 岡山大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助手 (10346421)
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Keywords | 機能性モノマー / 光重合開始剤 / アパタイト / エナメル質 / 象牙質 |
Research Abstract |
機能性モノマーである10-MDPが爾質表面でどのような挙動を示すかを検討した。本年度は,昨年度までに得られた知見を基にエナメル質と象牙質上での10-MDPの反応メカニズムを論文としてまとめるため,以下の項目に関して試料数を増やすなど追加実験を行った。 〈薄膜X線回折(XRD)〉 クラレメディカル社製メガボンドセルフエッヂングゲライマー,15wt%10-MDP試作セルフエッチングプライマー(エタノール45wt%,蒸留水40wt%)をウシ抜去歯エナメル質および象牙質に一定時間反応させ,その歯面を薄膜XRDにて分析し,粉末XRDの結果と比較検討した。結果として,(1)10-MDP分子が2分子向かい合った形の層状構造を形成し,エナメル質表面では象牙質に比べてその量は少ないこと,(2)特にその傾向はメガボンドセルフエッチングプライマーで強く,エナメル質では検出限界以下であることを確認した。 〈引張り接着試験〉 任意の濃度の10-MDP溶液について,光重合開始剤であるカンファーキノンを添加ならびに無添加のセルフエッチングプライマーを試作した。ウシ抜去歯の象牙質を#600の耐水研磨紙にて注水下で研磨した後,それぞれのセルフエッチングプライマーで処理したものを被着体として,引張り接着試験を行った。引張り接着試験より,10-MDPの層状構造が厚い場合は接着力が低下することが示唆された。さらに,上記のように破断面には層状構造が検出されたことから,層状構造の内部で破断したことが明らかとなった。この傾向は昨年度に得られた知見と相関があり,10-MDPの濃度の高い試作プライマーに顕著に認められ,層状構造の厚さ相関があることから,カンファーキノン無添加のセルフエッチングプライマーでは光重合触媒が層状構造内部まで浸透せず,重合が不十分になったことが明らかとなった。 以上の成果を論文として報告している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
データも順調に採取し、当初の計画より早期に論文として報告することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
前述の11.の項目で示した様に、研究は当初の予定よりも順調に進展している。今後も引き続き接着メカニズムの解析について深耕に努めていく予定である。
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Research Products
(1 results)
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[Journal Article] Nanolayering of phosphoric acid ester monomer on enamel and dentin2011
Author(s)
Yoshihara K, Yoshida Y, Hayakawa S, Nagaoka N, Irie M, Ogawa T, Van Landuyt KL, Osaka A, Suzuki K, Minagi S, Van Meerbeek B
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Journal Title
Acta Biomater
Volume: 7(8)
Pages: 3187-95
DOI
Peer Reviewed