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2012 Fiscal Year Annual Research Report

機能性モノマーと光重合開始剤が歯質接着に及ぼす影響:分子レベルでの解析

Research Project

Project/Area Number 22592120
Research InstitutionOkayama University

Principal Investigator

小河 達之  岡山大学, 医歯(薬)学総合研究科, 助手 (10346421)

Project Period (FY) 2010-04-01 – 2014-03-31
Keywords機能性モノマー / 光重合開始剤 / アパタイト / エナメル質 / 象牙質
Research Abstract

歯質接着メカニズムを解明すべく,界面の微細構造と機能性モノマーの分子挙動との関連性について取り組んできた。これまでの成果として,接着性能で定評のあるリン酸系機能性モノマー10-MDPは,歯質無機成分であるアパタイトと反応し,10-MDP分子が2分子向かい合った形の層状構造を形成していることを明らかにした。この層状構造はアパタイト表面に接着し,かつ,疎水性であるため,これが接着耐久性の向上につながったと予想される。しかしながら,実際の製品では他のモノマーなど様々な成分が添加されており,実際に層状構造を形成しているのか疑問が残る。そこで平成24年度は,これまで行ってきた機能性モノマーと溶媒のみの実験系をさらに発展させ,他のモノマーの添加の影響を検討するとともに,実際の製品で層状構造を形成しているかを確認した。その結果,HEMAを加えると,層状の構造物の析出が短時間では認められず,形成が抑制されることが明らかとなった。水晶振動子マイクロバランス法(QCM) にて測定すると,わずかではあるがアパタイトの脱灰量も抑制されていた。しかし,10-MDPを主成分とした市販接着システムであるクリアフィルメガボンドと象牙質との接着界面をEDS-STEMにて分析を行ったところ,層状の構造物を析出していることがわかった。さらにこの構造物はカルシウムとリンからなり,この層状の構造物がモノマーとアパタイトとの化学的反応で形成されたものであることがはっきりと示された。この層状の構造物は,樹脂含浸層の中から,アドヒーシブ層に向かって押し出されるような形で形成されていた。また,この構造物は耐水性も高いことから,長期の耐久性の向上に影響を与えることが考えられた。以上のように機能性モノマーとアパタイトとの化学的相互作用により樹脂含浸層の形態は大きく変化し,これが接着耐久性に大きく影響することが示唆された。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

1: Research has progressed more than it was originally planned.

Reason

データも順調に採取し、当初の計画より早期に論文として報告することができた。

Strategy for Future Research Activity

前述の11.の項目で示した様に、研究は当初の予定よりも順調に進展している。今後も引き続き接着メカニズムの解析について深耕に努めていく予定である。

  • Research Products

    (1 results)

All 2012

All Journal Article (1 results) (of which Peer Reviewed: 1 results)

  • [Journal Article] Self-assembled Nano-layering at the Adhesive Interface2012

    • Author(s)
      Y. Yoshida
    • Journal Title

      Journal of Dental Research

      Volume: 91(4) Pages: 376-381

    • DOI

      10.1177/0022034512437375

    • Peer Reviewed

URL: 

Published: 2014-07-24  

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