2010 Fiscal Year Annual Research Report
歯周靭帯の再生を主軸にした新規歯周組織再生療法の開発
Project/Area Number |
22592123
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
藤井 慎介 九州大学, 大学病院, 助教 (60452786)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
赤峰 昭文 九州大学, 歯学研究院, 教授 (00117053)
前田 英史 九州大学, 大学病院, 講師 (10284514)
和田 尚久 九州大学, 大学病院, 助教 (60380466)
友清 淳 九州大学, 大学病院, 助教 (20507777)
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Keywords | ヒト / 歯根膜 / 再生 / 伸展力 |
Research Abstract |
歯周靭帯の再生あるいは維持において、咬合時に負荷される機械的刺激(圧迫力および伸展力)が重要な役割を果たしていると考えられている。そこで申請者らは、伸展力をうけた歯根膜細胞が歯周靱帯の再生あるいは維持に重要な因子を発現しているという仮説を立てた。本研究では、ヒトプライマリー歯根膜細胞において、伸展力を負荷することによって発現が上昇する遺伝子の中から歯周靭帯再生促進因子について明らかにし、これを治療薬として臨床応用に繋げていくことを目的としている。 まず、4種のヒトプライマリー歯根膜細胞に線維芽細胞伸展装置システム(STREX社)を用いて伸展力を負荷した。過去の報告(J Dent Res.2011 Feb;90(2):181-5.)と同様に、108%の伸展力を1時間負荷したところ、それぞれの細胞において、Angiotensinogen(AGT)およびAlkaline Phosphatase(ALP)mRNA発現量が上昇したものの、その程度は無刺激群と比較して2倍程度であった。そこで、伸展力に関与する遺伝子をより多く抽出するために、伸展刺激時間を延長した。3時間の伸展刺激を行ったものの、AGTおよびALP mRNA発現量は無刺激群の2倍程度であった。そこで、108%の伸展力を1時間負荷増加した歯根膜細胞から抽出し、精製したmRNAを用いてマイクロアレイ法をおこない、伸展力の負荷により発現量の増加した遺伝子を216個検出した。今後、これらの遺伝子の発現について伸展力を負荷した群および無刺激群において比較し、遺伝子の機能について明らかにしていく予定である。 今回得られた遺伝子群の中には生理的条件下において機能を果たしている遺伝子が含まれている可能性と考えられ、今後の研究を遂行することによって歯周靱帯の再生あるいは維持に重要な遺伝子を検出できるものと考えられる。
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Research Products
(11 results)