2012 Fiscal Year Annual Research Report
歯周靭帯の再生を主軸にした新規歯周組織再生療法の開発
Project/Area Number |
22592123
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
藤井 慎介 大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 研究員 (60452786)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 歯周靭帯 / 歯根膜細胞 / Wnt / シグナル伝達 |
Research Abstract |
歯周靭帯の再生あるいは維持には、咬合時に負荷される機械的刺激(圧迫力および伸展力)が重要な役割を果たしていると考えられている。そこで4種のヒトプライマリー歯根膜細胞に線維芽細胞伸展装置システム(STREX社)を用いて伸展力の負荷により発現量の増加した遺伝子を216個検出した。それらの検出遺伝子群の中でWntの発現上昇を認めたことから、伸展力の負荷によりWntシグナル伝達が活性化されていることが示唆された。Wntは、細胞の分化・運動等を制御する分泌性蛋白質であり、細胞外基質に結合しやすい特徴を有している。そこでWntが歯根膜細胞の分化・運動能に与える影響について検討し、さらに歯周靭帯は細胞外基質が豊富であるので、Wntと結合し、その活性を調節する細胞外基質蛋白質が存在することを想定し、その単離を行った。 Wnt5a刺激により歯根膜細胞において分化関連遺伝子であるα-SMAおよびperiostinの遺伝子発現が上昇した。創傷治癒アッセイを用いてWnt5aが歯根膜細胞の運動能を促進することが明らかとなった。 次に調整した細胞外基質蛋白質の中でWntと結合する蛋白質をスクリーニングした。Far-western法を用いて、Wntと結合する細胞外基質蛋白質を検出し、質量分析法にてNidogen-1を同定した。Wntは脂質修飾および糖鎖修飾をうけており、疎水性の特徴を有している。二相分離法の結果、Nidogen-1は親水相に分画され、Nidogen-1と結合したWntは親水相に分画された。また、Nidogen-1とWnt3aを混和後、細胞に刺激したところ、Wnt3a刺激依存性の受容体LRP6のリン酸化レベルおよび標的遺伝子Axin2の遺伝子発現が上昇した。 以上の結果より、Wntが歯根膜細胞の分化・運動能を促進すること、細胞外基質がWntの生化学的特徴や作用を制御することが明らかとなった。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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