2012 Fiscal Year Annual Research Report
歯内-歯周疾患に対する新たな治療法の確立;補体調節因子の制御
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22592124
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
作田 哲也 鹿児島大学, 医歯(薬)学総合研究科, 助教 (20284888)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 歯髄細胞 / 補体制御因子 / MMP-2 |
Research Abstract |
炎症と補体制御因子との関連を調べていく中で、本年度はマトリックスメタロプロテアーゼ(MMP)の発現についての解析を行った。補体制御因子のいくつかはMMPにより細胞から切断されることによって細胞から離れ、補体攻撃からの防御能力を失うこととなる。特発性歯髄炎の原因として種々の疼痛関連物質が知られているが、アナンダマイド(AEA)は内因性カンナビノイドの一つであり、神経伝達物質の一種として作用する。本年度はヒト歯髄細胞を供試し、ウエスタンブロット法によりMMP-2の発現動態を検討した。その結果以下の知見が得られた。1)ヒト培養歯髄細胞においてAEAは濃度依存性にまた時間依存性にMMP-2の産生を誘導した。2)ヒト培養歯髄細胞にはAEAの受容体であるCB1, CB2とTRPV1の発現が認められた。3)ヒト培養歯髄細胞においてAEAが誘導するMMP-2産生はCB1およびTRPV1アンタゴニストにより抑制された。4)ヒト培養歯髄細胞においてAEAが誘導するMMP-2の産生はJNK阻害剤であるSP600125で著明に抑制された。 以上のことから、ヒト歯髄細胞培養系においてAEAはCB-1とTRPV-1を経由してJNKを介しMMP-2の産生を誘導することが明らかとなった。産生されたMMP-2は自己あるいは近接した歯髄細胞上の補体制御因子を切断する。これにより自身が補体攻撃にさらされやすくなり、炎症の増悪へとつながることが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(3 results)