2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22592129
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
藤田 光 日本大学, 松戸歯学部, 助手 (00147737)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西山 典宏 日本大学, 松戸歯学部, 教授 (90112953)
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Keywords | ワンステップボンディング材 / ^<13>C NMR / 加水分解 / 脱灰 / 歯質接着性 |
Research Abstract |
本研究では、ワンステップボンディング材、G-BOND PLUS(以下GBPと略す)に配合されている酸性モノマーとハイドロキシアパタイト似下HAPと略す)または象牙質とを反応させ、反応前後における^<13>C NMRスペクトルの変化から、酸性モノマーと歯質成分との相互作用の詳細について検討し、さらに、酸性モノマーの脱灰率がエナメル質および象牙質の接着強さにおよぼす影響を比較検討した。 GBPまたはG-BOND(以下GBと略す)2.000g中にHAP粉末、または切削したウシ前歯歯冠象牙質切削粉末0.400gを懸濁し、振盪・撹拌した。その後、懸濁液を遠心分離し、ボンディング材上澄み液の^<13> NMRスペクトルをEX 270スペクトロメーターを用いて測定した。HAPまたは象牙質粉末を相互作用させる前および後の^<13>C NMRスペクトルを基に、TEGDMAのビニル基メチレンカーボンNMRピークに対するGBPおよびGBに配合されている酸性モノマーのビニル基メチレンカーボンNMRピークの強度比を求めた。酸性モノマービニル基メチレンカーボンNMRピークの強度の減少率は、反応前後の強度比の差を反応前に得られた強度比の値で除して求め、酸性モノマーの歯質アパタイト成分の脱灰率とした。さらにGBPまたはGBのエナメル質および象牙質に対するせん断接着強さを測定した。その結果、GBPにHAPまたは象牙質を相互作用させると、酸性モノマーの脱灰率はHAPで22.0%、象牙質では66.0%で、GBPはGBより高い脱灰率を示した。GBPのエナメル質に対する接着強さは、GBより16%高い値を示したが、象牙質への接着強さはGBと同程度の値を示した。以上のことから、GBよりもGBPは酸性モノマーによる脱灰率が高いことが示され、エナメル質において有意に高い接着強さを示したが、象牙質では有意差が認められなかった。
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