2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22592129
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
藤田 光 日本大学, 松戸歯学部, 助手 (00147737)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西山 典宏 日本大学, 松戸歯学部, 教授 (90112953)
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Keywords | ワンステップボンディング材 / ^<13>C NMR / 加水分解 / 脱灰 / 歯質接着性 |
Research Abstract |
ワンステップボンディング材で処理した歯質に対するレジンの接着強さが低下する原因を検討することを目的として,ワンステップボンディング材に含まれているモノマーの変質に及ぼす影響を接着強さと核磁気共鳴法を用いて検討した. [材料および方法] 1.ワンステップボンディング材としてG-BOND PLUSを使用した.機能性モノマーが主成分であるボンディング材を40℃の恒温槽中に保管した。保管時間は0,1,3,7および14週間とした. 2,所定時間保管したワンステップボンディング材300mgとDMSO250mgをNMR管に精秤し,振盤・撹絆してNMRの試料とした。また,^<13>C NMRの測定はEX 270スペクトロメーターを用いた. 3.新鮮ウシ抜去歯のエナメル質および象牙質を被着面とし,G-BOND PLUSを指示書に従って作用させ,コンポジットレジンを填塞し,試験体とした.試験体を37℃水中に24時間浸漬し,万能試験機を用いてクロスヘッドスピード1mm/minの条件で,エナメルおよび象牙質に対する接着強さを測定した. [結果および考察] G-BOND PLUSのエナメル質の接着強さは,保管時間0日(コントロール)の場合17.2MPaであったが,保管時間が長くなるにつれて接着強さは低下し,保管時間が14週間では10.9MPaと大きく低下した.また象牙質では,保管時間0日(コントロール)の場合15.4MPaであったが,保管時間が14週間では11.6MPaと,接着強さは低下した. 以上の結果から,ボンディング材を長期間保管すると,ワンステップボンディング材に含まれる機能性モノマーが加水分解して変質し,G-BOND PLUS水溶液の^<13>C NMRのスペクトルは,4-MET分子内ベンゾイルエステル基が加水分解し,HEMEとトリメリット酸に加水分解されることがわかった.その結果,レジンの接着強さが低下することが明らかとなった.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
NMR測定を行うにあたり、液体のNMR測定に設置してあるコンプレッサーが壊れてしまい、復活するまでにかなりの時間を要したため。
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Strategy for Future Research Activity |
新たに合成するカルボキシル基またはアミド系メタクリレートモノマーを有するワンステップボンディング材をデザインするとともに,歯質との相互作用の強さを測定し,次世代のワンステップボンディング材接着システムを構築する.
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Research Products
(1 results)