2010 Fiscal Year Annual Research Report
成長因子含有人工骨でデッドスペースを補填する新たな抜歯即時インプラント法の開発
Project/Area Number |
22592138
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
小松原 浩実 北海道大学, 病院, 助教 (50221247)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
横山 敦郎 北海道大学, 大学院・歯学研究科, 教授 (20210627)
山本 悟 北海道大学, 大学院・歯学研究科, 助教 (10344524)
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Keywords | 有床義歯補綴学 / デンタルインプラント / 人工骨 / BMP / TCP / FGF |
Research Abstract |
デンタルインプラントは歯科の一分野としてその位置を確立している。その中で抜歯即時インプラント法においては、治療期間の短縮が図れる一方で,埋入時にインプラント体周囲にデッドスペースが存在するという、オッセオインテグレーションにとって不利な条件を併せ持っている。そのデッドスペースの補填材として現在多く用いられている自家骨に代わる人工材料が開発されれば患者に対する過度の侵襲を避けることができる。本研究では,βTCPに対し、骨誘導因子(rhBMP)や線維芽細胞成長因子(rhFGF-2)を応用することにより骨誘導能を有する人工骨を開発し、患者の負担の少ない術式を確立することを目的としている。 本年度はラット頭頂骨を用いた以下の動物実験により、rhBMPの量を最小限にとどめ、なおかつ十分な骨誘導能を有する人工骨の開発を行った。 1.βTCP:rhBMP:rhFGF-2の重量比の異なる10種の人工骨(下記)を作製した。 ※人工骨重量比:βTCP顆粒40mgに対するrhBMP・rhFGF-2配合量(単位:μg) (1)4・0 (2)2・0 (3)1・0 (4)0・0.4 (5)0・0.2 (6)0・0.1 (7)4・0.4 (8)2・0.2 (9)1・0.1 (10)0・0 2.ラット頭頂骨に直径7mの円形の骨欠損部を作製し、骨欠損部に人工骨を埋入した。 3.人工骨埋入2週後にラットを屠殺し人工骨及び周囲組織を含む組織標本を作製、病理組織学的検索を行った。 動物実験の結果、βTCP顆粒40mgに対してrhBMP 2μgおよびrhFGF-2 0.2μgを配合した人工骨は、同量のβTCP顆粒に対してrhBMP 4μgのみを配合した人工骨と同等の骨誘導能を有することが明らかになった。すなわち、βTCP顆粒にrhBMPのみならずrhFGF-2をも添加することにより、rhBMP量を半減しても十分な骨誘導能を有する人工骨を開発することができた。
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