2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22592142
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
向山 仁 東京医科歯科大学, 歯学部, 非常勤講師 (00242214)
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Keywords | 口内炎 / 義歯 / 高齢者 / 化学療法 / 放射線治療 / がん患者 |
Research Abstract |
口腔環境は加齢変化により脆弱となっている。そのため、口腔内の常在性細菌、真菌の感染によつて、口腔粘膜炎(口内炎)が生じやすくなっている。口腔粘膜炎をいったん発症させてしまうと痛みや出血のため口腔の衛生管理が困難になり、口腔内の細菌真菌増殖がさらに増殖し、口腔粘膜炎の重症化を引き起こす。その結果、摂食不良となり、脱水、栄養状態不良が進行し、口腔粘膜炎も増悪する。一方、唾液中のハイポチオシアン酸/ハイポチオシアン基(HOSCN/OSCN-)が生成し抗菌作用を生じると考えられているが、口腔粘膜炎発症時は、ハイポチオシアン酸/ハイポチオシアン基(HOSCN/OSCN-)は減少するとともに、唾液中のサイトカインが口腔粘膜炎の増悪因子となっていると考えられる。そこで、唾液中のサイトカイン測定を行うことを計画した。口腔粘膜炎発症時には唾液分泌量の減少や粘度の上昇がおこっており、唾液のサイトカイン測定を行うまでにフィルターを使用して唾液のろ過を行うが、一定量の唾液検体の採集ができずに、結果としてサイトカインを安定して計測できるだけの検体量の採集ができなかった。そこで、口腔粘膜炎の発症や修復にはグルタミンの吸収に関連があるとされているが、グルタミンの吸収には小腸の絨毛上皮が関連しており、小腸絨毛上皮中のジアミンオキシダーゼ(DAO)活性は血中のDAO活性と関連があり、今後がん治療患者で化学療法を行っている患者のDAO活性を測定することで、口腔粘膜炎とグルタミンの関連性について検討する予定である。
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