2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22592142
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Research Institution | Showa University |
Principal Investigator |
向山 仁 昭和大学, 歯学部, 兼任講師 (00242214)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 口腔粘膜炎 / 義歯 / 化学療法 |
Research Abstract |
高齢者の口腔環境は加齢変化により脆弱となっている。そのため、口腔内の常在性細菌、真菌の感染によって、口腔粘膜炎(口内炎)が生じやすくなっている。口腔粘膜炎をいったん発症させてしまうと痛みや出血のため口腔の衛生管理が困難になり、口腔内の細菌真菌増殖がさらに増殖し、口腔粘膜炎の重症化を引き起こす。その結果、義歯装着困難、摂食困難となり、ますます、脱水、栄養状態不良が進行し、口腔粘膜炎も増悪する。そこでわれわれは唾液がもつ本来の抗菌能力に注目し、抗菌能力を関わる因子を口腔に補うことで口腔粘膜炎の発症、増悪を防ぐことをめざすことを目的とした。実際には補綴科の外来では口腔粘膜炎を生じている患者は通常の外来通院の患者の中では少なく、さらにその患者さんのなかで摂食にまで影響を与えている症例は見当たらなかった。そこで、本研究で対照群と考えていた口腔粘膜炎を定常的に引き起こしている血液内科でがん化学療法を行う患者さんを行う患者さんの口腔を観察した。その結果、血液内科にてがん化学療法を行う患者さんにおいては、化学療法の種類内容にもよるが、口腔粘膜炎を通常よく引き起こすとされているレジメの化学療法を開始して1から2週間後の白血球が減少する時期に口腔粘膜炎の症状が発症して、義歯装着患者では義歯の装着も困難となってくる。白血球が減少する時期には日常生活では問題とならない歯ブラシ時の傷や食物摂取時の粘膜への物理的機械的刺激が粘膜上皮への障害を引き起こし、粘膜上皮のバリアが壊れて、そこから粘膜への感染がおき口腔粘膜炎が発症する。さらに免疫能が低下しているため口腔粘膜炎が重症化しさらに治癒の遅延がおこる。さらなる増悪因子としてはカンジダ菌がある。白血球の機能、数が低下しているときにカンジダ菌の感染がおこると粘膜障害がさらに強くなる。これらより口腔粘膜炎発症を抑える要点は口腔内の感染制御と考えられた。
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Current Status of Research Progress |
Reason
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(2 results)