2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22592143
|
Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
高橋 敏幸 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助教 (80360923)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
上野 俊明 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 准教授 (30292981)
加藤 剛 東京医科歯科大学, 医学部附属病院, 助教 (80447490)
|
Keywords | 高気圧酸素療法 / 抜歯 / ラット / 創傷治癒 / スポーツ歯学 |
Research Abstract |
これまで、我々は口腔外傷の予防と軽減を目的としマウスガード材料の改良・開発及び形態に関する研究とマウスガードの普及啓発を行ってきた。しかしながら、歯牙障害は、義務教育諸学校、高等学校、高等専門学校、幼稚園及び保育所の管理下における災害に対する障害種別件数で、視力・眼球運動障害についで2番目に高い割合になっている。また、国内で口腔外科に来院する外傷患者では、転倒転落、殴打、交通事故、スポーツなどが原因となっており、歯牙外傷は全体の約12%である、との報告もある。これらのことから、これからのスポーツ歯学に求められていることは、単にマウスガードで歯を守るというだけでなく、不幸にも損傷し失われかけた歯を救う、ということも非常に重要な役割であると考えられる。そこで、歯の脱臼と脱離時の治療法の一つである歯の再植に関して、新しい治療法を開発するための第一段階として、高気圧酸素療法が抜歯後の抜歯窩治癒に与える影響について組織学的見地からその治癒過程を評価した。生後6週齢雄性ラットを用い、抱水クロラールの腹腔内注射による全身麻酔下において、上顎第一大臼歯の抜歯を行った。抜歯後当日から1.5気圧の高気圧酸素負荷を1日1時間3日間連続行うものをHBO群、高気圧酸素負荷を行わないものをcontrol群とし、抜歯窩周囲の組織標本を作成した。組織標本は採取した検体を固定後、パラフィンブロックを作成しヘマトキシリン・エオジン染色を行い、光学顕微鏡にて組織像を観察した。その結果、HBO群はcontrol群に比べ血管新生がより認められ、高気圧酸素の有用性が示唆された。今後は、PCR法などを用い分子生物学的検討も加える必要性があると考えられる。
|