2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22592143
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
高橋 敏幸 東京医科歯科大学, 医歯(薬)学総合研究科, 助教 (80360923)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
上野 俊明 東京医科歯科大学, 医歯(薬)学総合研究科, 准教授 (30292981)
加藤 剛 東京医科歯科大学, 医学部附属病院, 助教 (80447490)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 高気圧酸素治療 / 再植 / スポーツ歯学 / 外傷 / ラット |
Research Abstract |
高気圧酸素治療(HBO)の臨床応用として、生体内低酸素状態の改善があげられ、具体的には一酸化炭素中毒などヘモグロビンがその機能を果たせなくなったとき、或いは動脈閉塞などで組織への酸素供給が減少したとき、気道閉塞で外呼吸ができなくなったとき、乏血性ショックなどでヘモグロビンが大量喪失したとき、などが有効と考えられる。これらに加えて近年では、運動時の筋疲労に対する効果やスポーツ外傷などによる軟部組織損傷に対しても用いられてきている。そこで、本研究では歯の外傷のうち約半数を占めるといわれている歯の脱臼と脱離時の治療法の一つであり、歯科臨床に不可欠な治療法として適用症例も数多く報告されている歯の再植に、高気圧酸素治療を応用することで治癒率を向上させることができるか否か検討した。 実験には、Wistar ラット(5週齢)を使用した。抱水クロラールを腹腔内に注射して全身麻酔を施行した。再植は、上顎第一臼歯を脱臼させ抜歯窩に戻した。HBOは、動物実験用高気圧タンクを用い100%酸素を2.5 atmosphere absoluteにて1日2時間行った。HBOを行う群は、手術当日から連続5日間HBOを施行しケージで飼育した(HBO群)。また、HBOを行わない群をControl群とし、通常のケージで飼育した。術後7日で検体を採取し、マイクロCTとヘマトキシリン・エオジン(HE)染色による組織学的評価を行った。マイクロCT像では、HBO群、Control群で顕著な違いは認められなかったが、HE染色像では、HBO群はControl群に比べ、再植部位の歯周組織の小血管の密度や幼弱な線維が増していた。これらの結果から、HBOの歯牙再植治療に対する応用の可能性が示唆された。今後、設定条件や評価方法を追加し、さらには長期にわたるHBOの影響を観察する必要があると考えられる。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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