2010 Fiscal Year Annual Research Report
超高分子量ポリマーフィラーを用いた次世代歯科材料の開発
Project/Area Number |
22592146
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
寺岡 文雄 大阪大学, 大学院・歯学研究科, 准教授 (00099805)
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Keywords | プラズマ処理 / 超高分子量ポリエチレン / ジルコニア / 理工学的性質 / 濡れ性 |
Research Abstract |
1. 超子運分子量ポリエチレン(UHMWPE)粉末を義歯床用レジンの粉末および歯冠用硬質レジンに添加し,臨床サイドで理工学特性を調整できるかについて検討した.フィラーはUHMWPE粉末と対象としてジルコニア粉末を使用し,それぞれプラズマ処理により表面処理を行った 2. 粉末のプラズマ処理は直接送風管から粉末を導入すると電極が汚染しポプラズマの性能が低下した特にUHMWPEは電極に融着し,プラズマ処理ができない状態になった.そのため,プラズマ先端部に粉末を供給する方法を採用'したが,UHMWPE粉末の比重は約0.92(ジルコニアの約1/6)と軽いため飛散して回収が困難であった.密封容器を考案し容器内部で粉末を循環させてプラズマ照射を行う方法を選択した 3. 義歯床用レジンおよび歯冠用硬質レジンにUHHWPE粉末およびジルコニア粉末を添加して,曲げ強さ,硬ざ,表面粗さ,耐摩耗性などを検討した.その結果,一部の性質の改良には成功したが,目的とする性能までの向上には至らなかった.その原因として,UHMWPE粉末は粒子の凝集体(粉末製作時に単体にするのは困難)であり,分散性が悪く,粉末のサイズが大きすぎることと,粉末のプラズマ処理が均一に行われていない可能性が示唆された.また,UHMWPE粉末とジルコニア粉末を添加した試料では逆の特性を示した場合もあったため,目的とした特性を臨床サイドで調整可能であることがわかった 4. 来年度以降は単一粒子からなるUHMWPE粉末を購入し,より均一なプラズマ処理法を確立し,粉末の濡れ性を定量的に評価(依頼分析を行う)してさらに実験を遂行する予定である
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