2011 Fiscal Year Annual Research Report
一般開業医の症例に基づく欠損拡大の関連因子の調査ならびに臨床データベースの構築
Project/Area Number |
22592149
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
藤原 啓 大阪大学, 歯学研究科, 招聘教員 (30570296)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
池邉 一典 大阪大学, 歯学部附属病院, 講師 (70273696)
松田 謙一 大阪大学, 歯学研究科, 助教 (80448109)
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Keywords | 補綴歯科 / 欠損拡大 / データベース |
Research Abstract |
補綴処置ののち残存組織の健康を維持することは極めて重要である。しかし、、実際の臨床では、補綴装置の支台歯が失われ、歯の欠損が拡大することも多い。では、なぜ欠損が拡大していくのか?この疑問を解決するためには、まず欠損がどういった要因で拡大していくかを実際の症例を基に調べる必要がある。そこで本研究は、一般開業医を対象に欠損補綴治療が終了した症例の残存歯の生存について臨床データを収集・蓄積し、データベースならびにインターフェイスを開発すること、また欠損拡大に関連する因子について検討することを目的とした。 本年度は協力め得られた各医院に対して、追加調査を依頼し、より詳細なデータを収集した。 また、サーバーにより管理されたHDDに専用のスペースを設け、複数人によるデータの入力作業によりデータベースを構築した。 本年はデータ整理を行った後、欠損データを含まない、約300床の部分床義歯、ならびに1000本近くの支台歯についての予後について検討を行った。 カプランマイヤーの生存曲線を用いた検討の結果、直接支台歯は間接支台歯や非支台歯に比べ生存率が悪くなること、歯周メインテナンスに来院されている群とされていない群では生存曲線に大きな違いが生じること、歯冠歯根比が1.5以上の群は生存率が大きく低下すること、また直接支台装置の種類は支台歯の予後にさほど関連が見られないことなどが明らかになった。 本年度の結果は、歯周メインテナンスに来院しないことが、支台歯の予後に大きく関連しているといえるため,メインテナンスの重要性を示す重要な根拠を明らかにしたといえる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
症例数も徐々に増加しており、データ整理、分析も順調で、結果も有意義であると考えられるため。
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Strategy for Future Research Activity |
今後も本年度と同様にデータ数を増やすことを考えているが、データ数は相当数集まっていると考えられるため、特に来年度は欠損値の少ないデータシートを製作することが必要である。 よって、欠損がみられる症例について、再調査を行う予定である。 また、より細やかなデータ分析を行うために、新たな統計手法を取り入れることが必要であると考えている。そのため、統計手法について情報を収集、分析を行う予定である。
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