2010 Fiscal Year Annual Research Report
高脂血症治療薬;スタチンを応用した象牙質形成促進作用を持つ新規覆髄材の開発
Project/Area Number |
22592150
|
Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
岡本 洋介 岡山大学, 病院, 医員 (50571824)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
窪木 拓男 岡山大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教授 (00225195)
松香 芳三 岡山大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 准教授 (90243477)
園山 亘 岡山大学, 岡山大学病院, 助教 (40325121)
|
Keywords | 象牙質形成促進 / 再生医療 |
Research Abstract |
1,スタチンの至適濃度の検討 初めに,スタチンの歯髄幹細胞(Dental Pulp Stem Cell : DPSC)に対する至適濃度を細胞増殖,アポトーシス,細胞骨格形成に与える影響を指標に再度確認した。その結果,10μMの濃度では細胞増殖が抑制され,トリパンブルー染色陽性の死細胞の割合が増加した。次に,スタチンが細胞骨格形成に与える影響を,細胞内アクチンファイバーの構造変化を指標に評価した結果,1μMでは軽度ではあるが細胞骨格形成は抑制され,10μMでは強度に細胞骨格形成が抑制され,細胞に為害性があることが確認された。これらの結果より,DPSCの細胞培養でのスタチンの至適濃度は0.1~1μMであることを確認し,今後の実験は,この濃度範囲にて行った。 2,炎症環境下におけるスタチンがDPSCに与える影響の検討 これまでに,in vitroにおいてスタチンがDPSCの分化を促進することを明らかにしてきた。しかし,本研究で想定される臨床モデルでは,歯髄にカリエスが近接し歯髄に炎症が惹起されていると考えられる。そこで炎症環境下をin vitroで再現するために,TNF-α刺激下にて実験を行った。その結果,TNF-α刺激下においてもスタチンは細胞増殖を抑制した。また,定量性PT-PCRにてアルカリフォスファターゼならびにオステオカルシン遺伝子の発現を指標に象牙芽細胞分化に与える影響を検討したところ,TNF-α刺激の有無に関わらず,スタチンの象牙芽細胞分化促進効果は変わらなかった。 来年度は,スタチンの象牙質形成促進作用の機序を詳細に検討するとともに,in vivoにおけるスタチンの象牙質形成促進能をイヌを用いた直接覆髄モデルにて検討する予定である。
|
Research Products
(3 results)