Research Abstract |
事前調査として顎関節症外来来院患者(2003年5月~2008年7月末,1987例)の顎関節症外来記録に基づく後ろ向き調査結果をまとめて,第23回日本顎関節学会総会・学術大会にて発表した.また,その内容については2編の論文として日本顎関節学会雑誌に投稿した.2編のうち第1報については,照会後再査読との結果が返されてきており,査読内容に対応して現在再投稿中である.第2報については,現時点では一回目の査読中であり,査読結果はまだ返信されてきていない.第1報における主要な知見としては,240日以上末来院である場合,再来率は5%未満となること.解析対象群の1083例(男性315例,女性768例,平均年齢39.2±19.4,中央値35.0歳,四分位範囲34歳,男女比1:2.4, 2003年5月~2007年12月初め)の年齢分布は15歳~24歳と55歳~59歳にピークのある2峰性を示し,男女比については一般初診患者群よりも有意に女性の比率が高かったこと.ただし年齢分布については,大学病院受診患者という臨床サンプルが有するバイアスの影響が疑われた。通院回数,通院期間については,解析対象群の内,約半数が1回のみの来院であり,90日以内で約80%,180日以内で約90%が終診となっていたことなどであった.次に,次年度の研究準備として,その後に追加された症例および以前の症例について,顎関節症外来記録に加えて,カルテ,各種画像所見,検査記録,処方記録なども含めた新たな調査を行うために,徳島大学病院臨床研究倫理審査委員会へ研究申請を行い承認を受けている.
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