2010 Fiscal Year Annual Research Report
重度骨吸収患者へのインプラント治療のための骨増生と荷重負荷の影響の解明
Project/Area Number |
22592155
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
保志 美砂子 九州大学, 大学院・歯学研究院, 特別研究員 (10419591)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松下 恭之 九州大学, 大学院・歯学研究院, 准教授 (60159150)
古谷野 潔 九州大学, 大学院・歯学研究院, 教授 (50195872)
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Keywords | インプラント / 骨増生 |
Research Abstract |
【目的】本研究は歯科インプラント周囲組織の治癒を阻害せず、osseointegrationの獲得を促進させる荷重の閾値があるという仮説を立て、インプラント埋入直後の荷重負荷がインプラント周囲骨の治癒に与える影響を検討することを目的として、イヌを対象とした基礎実験を行った。 【方法】18ヵ月齢、体重10kgの雌性ビーグル犬6頭の上下顎前臼歯部を抜去し、8週後に下顎左右前臼歯部にそれぞれ3本のインプラントを埋入した。荷重負荷装置を用いて、3本のうち1本を荷重なし(ON)、残りの2本に10Nまたは50Nの2種類の側方荷重負荷を1Hz 1800cycle/日で週2回,3週間行った.また,埋入時,1週後,2週後に蛍光ラベリング剤を投与した。3週目に屠殺し、インプラント周囲組織を組織学的および形態計測学的に評価した。 【結果】ON群および10N群では、感染所見もなく、骨接触状態も良好で、インプラント表面に新生骨の直接接触が認められた。蛍光染色ではインプラントネック部~先端に向かって広い範囲で骨形成がみられ、さらに、10N群では実験期間を通して蛍光強度がコントロールのON群よりも強かった。それに対して50N群では,ON群および10N群と比較してチタン表面への新生骨の直接接触が認められる部位は少なく、骨接触が得られなかった部位に炎症性細胞の浸潤を認めた。また、蛍光染色ではインプラントネック部での骨形成は認められず、骨形成が認められる部位でもコントロールと同程度の蛍光強度であった。骨接触率および骨密度の計測を行った結果、10N群の値は他の群と比較して有意に高く、50N群の値は有意に低かった。 【結論】荷重量によってインプラント周囲骨の術後の早期治癒を促進させる可能性が示唆された。
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