2011 Fiscal Year Annual Research Report
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22592162
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Research Institution | Tokyo Dental College |
Principal Investigator |
石上 恵一 東京歯科大学, 歯学部, 教授 (70176171)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
武田 友孝 東京歯科大学, 歯学部, 准教授 (20236475)
中島 一憲 東京歯科大学, 歯学部, 講師 (80317916)
黒川 勝英 東京歯科大学, 歯学部, レジデント (40453766)
酒谷 薫 日本大学, 医学部, 教授 (90244350)
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Keywords | ガム咀嚼 / ストレス / 脳神経 / 近赤外線マッピング法(NIRS) |
Research Abstract |
被験者は、各年度、研究について同意の得られた約20名の健康成人とする。 測定は、ストレス課題としての計算及び寒冷刺激単独、ストレス課題とストレス緩和を目的としたガム咀嚼を同時に行う、計4つのタスクを前後の安静と共に行う。 評価項目は、まず前頭部の脳活動状態の評価を近赤外線イメージング装置OMM-2001NIRStation(島津製作所)を用いて、被験者各々について課題遂行に対する前頭葉相当部の脳活動状態の評価を行う。解析はまずNIRSによるoxy-Hb(酸素化ヘモグロビン)、Deoxy-Hb(脱酸素化ヘモグロビン)、Total-Hb(総ヘモグロビン)の波形から神経細胞の活動を捉え、次に脳神経活動の状態を最もよく反映するとされるOxy-Hb(酸素化ヘモグロビン)の濃度について、レストとタスク遂行時の比較を行う。この濃度はタスク開始後神経活動に伴い徐々に増加し、通常10秒ほどでプラトーとなるため、その後のタスク時間を前(50秒)、中(60秒)、後期(60秒)に分け毎秒ごとの平均値を求め、その後一元配置分散分析および多重比較を実施することとする。自律神経系機能の指標には心拍間変異度を用い、ハートレーターSA-3000P(東京医研)にて自律神経の活動度や交感神経・副交感神経の均衡状態等を心拍間の微細な変異から検知し、分析する。免疫系の指標には唾液のコルチゾール濃度を用いる。コルチゾールは一過性ストレスに対して一時的に上昇し、その後、数時間で元のレベルまで戻るという反応を示す指標と考えられている。心理的指標については日本版STAIの状態不安尺度による評価を行う。課題に対する感情評価は課題後に、「覚醒」および「快適」の2項目について回答していただく。質問紙は5段階で評価するスケールを採用し、被験者が記入した回答を、1~5として数値化する。また、感情評価を10段階のVAS値を用いて評価する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
実験的咬合干渉ではなく、実験的下顎偏位を中心に実験を進めています。また、従来の組織ヘモグロビン濃度、組織酸素飽和度を相対値として、計測する近赤外分光法(NIRS)に加え、時間分解分光法(TRS)も導入しております。これにより、組織ヘモグロビン濃度、組織酸素飽和度が絶対値として得られるようになり、より正確なデータが得られるものと考えております。しかし、実際の患者さん治療効果については、被験者の確保と経過観察が困難なため、やや遅れています。
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Strategy for Future Research Activity |
基礎的事項としての咬合、噛みしめの大脳皮質への影響、また実験的咬合不全の情動への影響はほぼ順調に進んでいると思われます。今後は、The International Affective Picture Systemなどを用いて、情動価のほぼ確定されている条件と咬合不全の比較検討を行いたいと思います。また、実験全体をより的確にすすめるため、治療前後の比較も症例数を増し進めていき、これらの結果をまとめ、論文作成、社会への情報の発信に取り組んでいきたいと考えております。
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