2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22592164
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
川良 美佐雄 日本大学, 松戸歯学部, 教授 (20147713)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小見山 道 日本大学, 松戸歯学部, 准教授 (60339223)
飯田 崇 日本大学, 松戸歯学部, 助教 (50453882)
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Keywords | クレンチング / 視覚刺激 / 運動制御 |
Research Abstract |
本研究は機能的磁気共鳴装置、経頭蓋磁気刺激法を用いてクレンチングの発現に関与する脳内活動を解明し、経頭蓋直流電気刺激法を用いて中枢よりクレンチングの発現を減少させる対処療法の開発を試みることを目的としている。その前段階として中枢へ対するアプローチ方法および部位を確定するためには末梢におけるクレンチングに関わる検討の追加が必要となる。特に三叉神経支配の筋活動の出力が他の神経活動支配の筋活動とどのような違いを示すか解明する事は無意識なクレンチングのメカニズムを解明するうえで必須である。そこで本年度は、脊髄神経支配と三叉神経支配の筋肉活動における視覚刺激による筋活動のコントロールについて比較を行った.被験者はインフォームド・コンセントを得て参加し、脳疾患の既往がなく、顎口腔領域に異常を認めない成人12名を対象とした.被験者へのタスクは右側第一指と第二指による握りしめと右側上下顎第一大臼歯による噛みしめ(tooth clenching)の2課題とした。測定中は手指間および上下臼歯間にforcemeterを介在し、両タスクにおけるforcevalueを測定した。被験者は視覚刺激なし(Pre-training)、視覚刺激あり(Training)、視覚刺激なし(Post-training)の3コンディションにおける測定を両タスクにて行った。測定直前に両タスクにおける最大握りしめ、最大咬みしめ(MVC)を測定した。各測定では10、20、40、60、80%MVCをtarget force levelとし、各タスク、各視覚刺激条件下にて行った。以上の実験により、視覚刺激は脊髄神経支配と三叉神経支配の筋活動をコントロールする際に有用であることが示唆された。しかしながら、顎運動では歯根膜が力の制御に関与をするため、両タスクにおける筋活動の出力のメカニズムは異なることが示唆された。今後はこの実験結果を参考にクレンチングのメカニズムの解明へ向けて本実験へ移行する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
現時点において申請時の最終目的を達成するための本実験を開始する段階まで到達していない。しかしながら、クレンチングのメカニズム解明に寄与する知見を得ることは達成されていると考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度までは末梢部位におけるクレンチングに関わる筋出力の解明に焦点をあてたが、今後は本年度までの実験結果を参考に中枢部位に焦点をあて、クレンチングのメカニズム解明を進める予定である。
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Research Products
(6 results)