2010 Fiscal Year Annual Research Report
磁性アタッチメント用新規磁性コンポジットレジンの開発
Project/Area Number |
22592167
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Research Institution | The Nippon Dental University |
Principal Investigator |
宮川 行男 日本歯科大学, 新潟生命歯学部, 教授 (20120735)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
相馬 弘子 日本歯科大学, 新潟生命歯学部, 助教 (90409235)
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Keywords | 磁性 / コンポジットレジン / 溶解性 / 吸水性 / 吸引力 / 磁性アタッチメント / フェライト系ステンレス鋼 / フィラー |
Research Abstract |
磁性アタッチメント用磁性コンポジトレジンを開発することを目的として、平成22年度は、まず磁性コンポジットレジン用フィラーに適した合金種を決定するために、クロム及びモロブデン含有率の異なる3種類の高耐食性軟質強磁性フェライト系ステンレス鋼、すなわちSUS444(17.8%Cr,2.0%Mo)、SUSXM27(25.9%Cr,1.0%Mo)、SUS447J1(30.6%Cr,2.1%Mo)の45μm径以下の粉末を91mass%含有するUDMA/MAAベースのコンポジットレジンを試作した。なお、フィラーはレジンへの配合に先立って、塩酸処理有および無の2条件について4-META処理を施した。以上6種の試作磁性コンポジットレジンの吸水性と水中における溶解性をISO 4049:2000" Polymer-based filling, restorative and luting materials"に準拠して測定した結果、SUS444を使用するとSUSXM27およびSUS447J1を使用した場合に比較して吸水量・溶解量が有意に小さくなること、また、フィラー粒子に対して塩酸処理を施すと,吸水量・溶解量がともに有意に小さくなることが明らかとなった。次に、4種類の市販磁性アタッチメント用磁石および1種類の市販汎用ネオジム磁石と試作磁性コンポジットレジンとの吸引力を測定した結果、フィラーとしてSUS444粉末を使用した方がSUSXM27およびSUS447J1粉末を使用するよりも磁石との吸引力が有意に大きくなることが明らかとなった。以上より、吸水性と水中における溶解性、さらに磁石との吸引力の面から考えて、磁性コンポジットレジン用フィラーに適する合金種はSUS444であると結論された。 続いて、最適フィラー含有量・粒径を求めるために、3種類の粒度に鯖分けしたSUS444粉末の含有量を89,90,91,92,93mass%の5水準とした試作磁性コンポジットレジンの操作および硬化時間をISO 4049:2000の方法に準じて測定した。その結果、レジン中の重合開始剤・促進剤量を調整した後に実験を継続することとした。
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