2011 Fiscal Year Annual Research Report
骨折治癒メカニズムを応用した歯科インプラントにおける新規骨誘導法の開発
Project/Area Number |
22592172
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Research Institution | Tokyo Dental College |
Principal Investigator |
山下 秀一郎 東京歯科大学, 歯学部, 教授 (80242212)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平賀 徹 松本歯科大学, 歯学部, 准教授 (70322170)
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Keywords | 骨折治癒 / インプラント / 骨芽細胞 / オッセオインテグレーション / 骨増生法 |
Research Abstract |
近年、幹細胞研究の進歩に伴い、幹細胞を応用した組織再生療法が実際の臨床の場でも応用されつつある。骨組織再生の分野においては、現在、最も有望視されているのが骨髄間葉幹細胞である。しかし、単一組織の再生を考えた場合、多分化能を有する幹細胞の応用はかえって非効率的であり、骨組織再生に特化した細胞の優位性が推測される。従来の研究から、「インプラント埋入時のオッセオインテグレーションの獲得が、骨折時の創傷治癒に準ずる」ことが明らかにされている。本研究では骨折治癒過程に集積する骨芽細胞に分化が決定付けられた細胞(骨折誘導性骨芽細胞前駆細胞 FOPC)に着目し、FOPCを応用した新規骨増生法の可能性を探索した。 1.ラット骨折モデルの作成 8週齢、オス、Wistarラット大腿骨中央部に、歯科用ラウンドバーを用い、皮質骨を貫通し、骨髄のほぼ全層に渡る組織欠損を形成した。同部位を経時的に組織学的観察を行った結果、術後1日目に血腫形成、3日目に肉芽組織~線維組織形成、5~7日目にかけて新生骨の形成が認められた。本モデルは、皮質骨の連続性を失わせないため、固定等の操作なしに骨折類似の病態を再現することができ、かつ、ヒトの場合、通常1ヶ月以上要する治癒過程を1週間程度で観察できる非常に有用な動物モデルである。 2.骨折修復過程における骨原性細胞の動態 骨折修復過程における骨原性細胞の動態について、上記1で作成した動物モデルを用い、Thy-1(CD90)をマーカーとして免疫組織化学的に検討した。その結果、術後3日目に形成される肉芽組織、および線維組織中に見られる線維芽細胞様細胞の多くがThy-1陽性であった。また、術後5~7日目にみられる新生骨形成の過程では、骨芽細胞周囲の線維芽細胞様細胞に強いThy-1陽性反応が認められた一方、骨芽細胞は弱陽性~陰性であった。また、新生骨中の骨細胞はThy-1陰性であった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
得られた結果等を含めて、学会発表による公表を行うことは達成できたが、論文にまとめるだけのデータがまだ十分とは言えず、今回は"やや遅れている"の評価とした。
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Strategy for Future Research Activity |
上記の研究業績の概要で述べたように、骨髄中に存在するThy-1陽性細胞が、骨折の刺激により同部位に集積、増殖し、骨折の修復過程に関与することが示唆された。しかし、Thy-1陽性が直接、骨芽細胞に分化するか否かについては不明であり、今後の検討課題としたい。
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Research Products
(2 results)