2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22592173
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Research Institution | Aichi Gakuin University |
Principal Investigator |
橋本 和佳 愛知学院大学, 歯学部, 准教授 (90201706)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊藤 裕 愛知学院大学, 歯学部, 教授 (20139950)
森 隆司 愛知学院大学, 歯学部, 准教授 (00159188)
阿部 俊之 愛知学院大学, 歯学部, 講師 (80231116)
竹市 卓郎 愛知学院大学, 歯学部, 講師 (20340151)
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Keywords | 咀嚼 / 耐糖能 / メタボリックシンドローム / 血糖値 / 食習慣 / 歯の欠損 / 補綴 / 糖尿病 |
Research Abstract |
Wister系ラットを通常の咀嚼を行う固形食のみで飼育する固形食群、ならびに咀囑の程度が少ないと思われる粉食のみで飼育を行う粉食群の2群にわけて飼育したところ、45週齢時よりOGTT(経口グルコース負荷試験)時の血糖値の推移ならびに血漿インスリン値の推移に差が現れはじめた。 この2群をさらに継続して飼育したが、60週齢以降死亡する個体が現れはじめたため64週齢時をもって飼育を終了することとした。 まず、45週齢時におけるOGTT時の血糖値の推移を検討した結果、グルコース投与後45分の値に差が現れた。さらに週齢が増すにしたがい他の測定時間にも差が現れた。また週齢の増加による影響を検討するため、各週齢における両群間の総血糖量について検討したところ、45週齢以降粉食群が高く、さらに週齢が増すに従い両群間の差は大きくなった。それにより、日常摂取する食餌の性状による咀嚼の程度の違いは、成長しての後の耐糖能に影響を及ぼすことが明らかとなった。 さらに、歯科医学として重要な歯の欠損と耐糖能との関連についても検討を行うこととし、臼歯を抜歯し口腔内感覚を変化させたWister系ラットおよび、コントロールとして抜歯を行わないラットを同条件で飼育し、継続的にOGTT時の血糖値ならびにインスリン値の推移を計測した。その結果、32週齢時において、抜歯群と抜歯を行わなかった群との間に有意差が認められ、抜歯群の方が高い値を示した。その後継続して飼育するとともに、インスリン値やC-peptide値の推移も検討する。 さらに、咀嚼習慣の改善による耐糖能改善の可能性についての検討を行うため、粉食または固形食のみでのWister系ラットの飼育を開始した。これらの2群は耐糖能に差が現はじめる時期である45週齢時前後に、飼料性状の入れ替えを行い、咀囑習慣の改善による耐糖能の改善の可能性について検討を行う。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ラットの寿命は1年以上あるが昨年度より飼育を継続し老年期になっても食餌性状の違いによる耐糖能への影響は現れ続けた。また、その後の、歯の欠損が耐糖能に及ぼす影響についてもコントロール群と抜歯群との間で異なった傾向が認められつつある。よって、このまま実験を継続することにより当初の目的は達成できると思われる。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、飼料性状を変更する群が週齢を全うするまで飼育を継続し結果を得る。それとともにこれまでの結果の解析を継続し、まとめをおこなう。 また、引き続き、歯の欠損または、飼料性状の変更が神経機構、内分泌機構に及ぼす影響を生化学的および生理学的に検討するための実験方法の検討も行いたい。
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