2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22592174
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Research Institution | Osaka Dental University |
Principal Investigator |
橋本 典也 大阪歯科大学, 歯学部, 講師 (20228430)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松野 智宣 日本歯科大学, 歯学部, 准教授 (80199827)
武田 昭二 大阪歯科大学, 歯学部, 教授 (20067185)
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Keywords | iPS細胞 / 顎骨再生 / 大型動物 / 細胞移植 / 顎顔面補綴 |
Research Abstract |
顎顔面補綴治療に用いる人工物は,その大きさ故に骨再生のニーズは高く,今後は細胞を用いた安全で確実な骨再生医療が望まれている。再生医療においては再生組織をあらかじめ工業的に大量生産して,必要時にいつでも利用可能にするには,培養系を用いたin vitro組織再生が望ましい.すなわち,イヌでの細胞移植研究を通じ,そのin vivoでの機能性を解析し,喪失した顎骨組織の再生治療の基盤を確立することが本申請の目的である. レトロウイルスベクターにイヌOCT3/4,SOX2,KLF4,c-MYC遺伝子をそれぞれクローニングした発現ベクターを作製した.イヌの胎児の皮膚組織から酵素法により線維芽細胞を単離した.そして同細胞にレトロウイルスと化学阻害剤を加え,感染7日後に,マウス胎児線維芽細胞をフィーダー細胞として再播種した.21日後に単離できたコロニーを回収した.コロニーをフィーダー細胞に播種しコンフレントになったiPS細胞をSB431542,Nogginを含む無血清培養下で2週間培養した.p75,HNK-1の表面抗原を指標としてファックスセルソーターにて神経堤細胞を分離した.分離後の細胞は免疫染色にて評価した.さらに同細胞を骨芽細胞誘導培地で14日間培養し,アルカリフォスファターゼ(ALP)活性を測定した. 免疫染色の結果,イヌiPS細胞より神経堤細胞への誘導が確認された.さらに非誘導群に比較してALP活性の上昇が認められたことから骨芽細胞様細胞に分化している可能性が示唆された.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
イヌの胎児の皮膚組織からのiPS細胞作製は可能であるが、成犬からでは、未分化状態を維持するのが難しいため。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究課題の今後の推進方策:細胞を移植するためのコラーゲンを使用した新しい足場材料の開発。ならびに効果的な細胞播種方法の確立。 研究計画の変更あるいは研究を遂行する上での問題点:iPS細胞からの骨芽細胞作製は臨床的にはかなり難しい。 皮膚組織から直接骨芽細胞へと分化させるダイレクトプログラミング法も計画したい。
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Research Products
(12 results)