2011 Fiscal Year Annual Research Report
濃度勾配を付与したFGF-2による1壁性骨欠損に対する歯周組織再生に関する研究
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22592182
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
島袋 善夫 大阪大学, 歯学研究科, 招聘教員 (50231361)
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Keywords | FGF-2 / 歯根膜細胞 / 細胞遊走 / PI3K / akt / ヒアルロン酸 |
Research Abstract |
歯周病によって失われた歯槽骨を含む歯周組織を再生させることは歯周治療の目標の-つである。この歯周組織再生には歯根膜細胞が中心的な役割を果たす。本研究では、塩基性線維芽細胞増殖因子(FGF-2)が歯根膜細胞に及ぼす影響について検討した。歯根膜細胞にはアルカリフォスファターゼ活性ならびに硬組織形成能の高いマウス歯根膜細胞MPDL22を用いた。24穴培養プレート内にfilterメンブレンを用いて、ウエル内を上下層に分け、filter上部に播種した細胞がメンブレン下に遊走した細胞数をカウントすることで遊走能を評価した。また-部の実験では、シリコンシートにより細胞を排除した細胞フリースペースへの細胞遊走数を計測することで遊走能を評価した。FGF-2により促進されるMPDL22の遊走活性はPI3Kおよびakt阻害剤により抑制される-方、FGF-2はMPDL22によるPI3Kおよびaktシグナルを亢進していることが確認された。さらにPI3K阻害剤およびakt阻害剤はFGF-2依存性のMPDL22遊走を抑制した。またFGF-2刺激を受けたMPDL22は、ピアルロン酸合成酵素-1,-2および-3mRNAの発現亢進およびビアルロン酸産生を上昇させた。以上のことから、FGF-2はPI3Kならびにakt経路を介してMPDL22の遊走を促進していることが強く示唆された。さらに遊走と関連していると考えられているピアルロン酸もまたFGF-2誘導性MPDL22の遊走に関与していることが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
in vivo実験では当初予想した結果がみられずこ、れまでの成果のついての再検討と再考慮を検討している。
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Strategy for Future Research Activity |
歯周組織再生に用いるFGF-2だけでなく、幹細胞も組み合わせての検討をおこなっている。
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