2011 Fiscal Year Annual Research Report
骨組織親和性をデザインしたアパタイト系骨充填材の創製
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22592185
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
MUNAR M・L 九州大学, 歯学研究科(研究院), 学術研究員 (50432919)
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Keywords | 骨補填材 / アパタイト / 連通気孔 |
Research Abstract |
本研究は骨充填材の材料学的因子を統合的にデザインしたアパタイト系骨充填材の作製プロセスを三次元造形技術と水熱反応プロセスを組み合わせて構築することを目的としています。 本年度は,最初に骨組織の進入に有効な気孔径(300-500ミクロン)および気孔率(50-60%)の多孔型石膏前駆体の作製を行いました。次に,この石膏前駆体に対し,前年度明らかにした水熱条件(4 mol/Lリン酸アンモニウム水溶液もしくはリン酸水素二ナトリウム水溶液の中で120-200℃で12時間)で処理を行い,アパタイトへ組成変換しました。この際,炭酸アンモニウム水溶液を併用すれば,歯や骨の無機成分と同程度の炭酸イオンを含有したアパタイトが得られることも確認しました。組成変換する際の水熱条件が最終生成物であるアパタイトの力学的特性や気孔構造に与える影響について調べたところ,気孔率の変化はほとんど見られないものの,強度は低下する傾向が見られました。この強度の低下は再析出するアパタイトの結晶サイズや絡み合いの程度によるものと結論付けました。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初予定していた気孔率や気孔径を持つ多孔型石膏前駆体を得るのに計画以上の時間を要したが,最終的に目標とする多孔型石膏前駆体が得られた。また,この多孔型石膏前駆体をアパタイトへ組成変換可能な水熱処理条件も明らかになった。この組成変換によって,やや力学的強度が低下する傾向が見られたが,許容範囲でありおおむね計画通りに研究が進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
この試料の溶解度をin vitroで評価することと,動物実験によって生体組織適合性評価を行う予定である。
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