2010 Fiscal Year Annual Research Report
新規化学修飾法によるチタン表面での靭帯様組織の形成と上皮シールの確立
Project/Area Number |
22592191
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Research Institution | Health Sciences University of Hokkaido |
Principal Investigator |
古市 保志 北海道医療大学, 歯学部, 教授 (80305143)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
遠藤 一彦 北海道医療大学, 歯学部, 教授 (70168821)
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Keywords | チタン / ジルコニア / ヒト歯根膜由来細胞 / ヒト歯肉上皮細胞 |
Research Abstract |
我々は、チタン表面のインテリジェント化によって、インプラント体上部では周囲軟組織との密なシール、下部では歯根膜様の靭帯組織を獲得させ、インプラント体の高機能化を目指している。本年度は、以下の3つの成果を上げた。1. GRGDSペプチド、ウシ皮膚由来I型コラーゲン(Col)、ヒト血漿由来フィブロネクチン(pFN)をカルボキシル基が導入されたチタン表面に固定化することができた。また、IGF-1をカルボキシル基が導入されたジルコニア表面に固定化することができた。2. 鏡面研磨した表面と比較してGRGDS、 Col、 pFNを固定化したチタン表面では有意にヒト歯根膜由来細胞の初期付着数が増加しており、Colを固定化した表面では鏡面研磨した表面に比較して2倍細胞が付着していた。また、各表面でのヒト歯根膜由来細胞のビンキュリンの発現を定量したところ、Colを固定化した表面で他の表面と比較して有意に発現が上昇していた。これらの結果より、ヒト歯根膜由来細胞群にはColを固定化したチタン表面が適していることが明らかとなった。3. IGF-1を固定化していないジルコニア表面と比較してIGF-1を固定化したジルコニア表面では有意にヒト歯肉上皮細胞の初期付着数が増加していた。また、各表面上でのヒト歯肉上皮細胞の形態学的な評価を行ったところ、IGF-1を固定化した表面では細胞が有意に伸展していた。これらの結果より、IGF-1を固定化することによりジルコニア表面のヒト歯肉上皮細胞に対する親和性を向上させられる可能性が示唆された。今後はエナメルマトリクスタンパクをヒト歯根膜由来細胞群に作用させた場合の細胞の動態を解析すること、IGF-1によるヒト歯肉上皮細胞のラミニン-5の発現変化を解析することが必要であると思われた。
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Research Products
(4 results)