2011 Fiscal Year Annual Research Report
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22592194
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Research Institution | Tokyo Dental College |
Principal Investigator |
見明 康雄 東京歯科大学, 歯学部, 准教授 (00157421)
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Keywords | 結晶成長 / ハイドロキシアパタイト |
Research Abstract |
アパタイト合成装置の組合は、セパレート式の多孔フラスコを湯煎する形で加温し、水溶液を均一に撹拌するために丸底フラスコとラグビーボール型撹拌子を採用した。また、温度とpHをリアルタイムで計測し、イオン溶液の滴下は3台のマイクロチューブポンプで行った。合成用試薬として、Ca(CH_3COO)_2H_20あるいはCa(NO_3)_24H_20と(NH_4)_2HPO_4あるいはNH_4H_2PO_4の組合せを用い、純水中あるいは酢酸緩衝液(pH7.3)にこれらを滴下していく方式を用いた。pH調整にはKOHを使用した。また、一部CMCを添加した水に滴下して合成反応を調べた。さらに、合成後半に結晶性を高めるためNaFないしHFを溶液滴下途中から添加した。合成条件は、80±1℃で、pHは7.3±0.1とした。 その結果、緩衝液に滴下した場合、純水より合成初期のpHの変動が少なく安定していた。CMCを添加したものでは、結晶は合成されるが沈殿せず、粉末として回収出来なかった。いずれの組合せでも滴下開始10~30分後に針状の結晶が合成され、その外形的な違いはほとんど無かった。これらの結晶は時間経過と共に増量したが、合成条件の違いによる、大きさの増大傾向はあまり明瞭ではなかった。また、結晶同士が塊となって毬栗のような外形をしており、合成初期の結晶成長点からそのまま成長した結晶が多いことを示していた。高分解能電子顕微鏡で観察すると、c軸断面が概ね正六角形の結晶が多くみられ、結晶中央には格子欠陥も観察された。フッ素を添加した結晶では、添加しないものより結晶周囲の格子欠陥は少なかった。これらの結晶の中央に穴を空けるため、乳酸あるいは酢酸緩衝液(pH4.5~5.0)に浸漬した。脱灰速度の調整には、合成アパタイトを溶解し添加した。急速に脱灰した場合、結晶周囲から脱灰されるものが多く中央の孔は少なかったが、脱灰速度を落とすと中央尖孔像と思われるものもみられた。しかし、尖孔の範囲は短く結晶全体にわたるものはみられなかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
内部に格子欠陥を多く持ち、周囲の結晶性がよい単結晶アパタイトの合成は出来ているが、短時間での結晶サイズの自由な制御ができていない。また均一にチューブ状に穿孔するための適切な条件がまだみつかっていない。
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Strategy for Future Research Activity |
チューブ状にする以前の結晶合成条件は概ね確定してきたので、結晶サイズは合成時間を延長して制御する。チューブ状に穿孔するための条件は、酸の種類やpHおよび温度因子に関しての組合せをさらに検討する。結晶が塊状になることについては、撹拌強度を変え、沈殿物の上層に塊状でない単結晶が存在するので、これを種結晶とした追加合成も行ってみる。ある程度チューブ状のものが得られたら、生体材料的な応用を検討する。
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