2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22592197
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
佐藤 秀一 日本大学, 歯学部, 講師 (50225942)
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Keywords | 血管新生 / 骨再生 / 定量分析 |
Research Abstract |
本研究の目的は,再生医療にとって不可欠な血管新生を誘導・制御するために骨再生過程における血管新生に着目し,骨再生の可能性およびそのメカニズムを解析することを目的とした。昨年度は,臨界および非臨界内側性骨欠損形態に対する骨再生時における血管新生の動態をマイクロCTにて観察した。その結果,臨界骨欠損,非臨界骨欠損ともに血管新生が骨再生に先行し,起こっていくことが確認された。また,非臨界骨欠損では臨界骨欠損に比較して血管新生量が有意に増加していた。また,骨再生に関しては,臨界骨欠損では骨欠損部の閉鎖がほとんど認められなかったが,非臨界骨欠損では骨欠損部はほとんど閉鎖していた。 本年度は,さらに,血管新生および骨再生の動態を詳細に観察するために,HE染色を用いた観察および走査型電子顕微鏡を用いた組織学的な観察を行っている。HE染色による分析の結果,臨界骨欠損では,術後14日目には,欠損部全体が結合組織で覆われ,欠損部辺縁にわずかな骨再生を認めた。術後28日目では,14日目に比較して明らかに多くの新生血管が認められたが,骨再生はわずかであった。一方,非臨界骨欠損では,術後14日目では,臨界骨欠損同様,欠損部は結合組織で覆われていたが,新生血管が臨界骨欠損に比較して多く認められた。術後28日目には欠損部は新生骨で覆われていた。 以上の結果から,骨再生には,血管新生がはじめに起こり,再生過程を制御している可能性が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初の研究目的では,骨外側方向に対する骨増生モデルに対する血管新生の観察を予定していたが,マイクロCTを用いた血管新生の観察が困難であるため,試行錯誤しながらモデルを改良に取り組んでいる。そのため,モデルを単純化した内側性骨欠損モデルによる血管新生の観察を行い成果を挙げている。
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Strategy for Future Research Activity |
当初の計画に従い,骨外側方向の骨増生モデルにおける血管新生の観察ができるようにモデルの改良に取り組みながら,内側性骨欠損に対する血管新生の観察を継続する予定である。
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Research Products
(1 results)