2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22592198
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
伊藤 公一 日本大学, 歯学部, 教授 (90102607)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 秀一 日本大学, 歯学部, 講師 (50225942)
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Keywords | 低出力超音波刺激 / 膜性骨化 / 骨再生 |
Research Abstract |
本研究は,低出力超音波刺激に対するメカニズムを解明するために,膜性骨化に対する骨再生に低出力超音波(LIPUS)刺激がどのように影響するかに着目し,まず,内側性非臨界骨欠損に対する作用について検討した。直径2.7mmの非臨界内側性骨欠損を作製し,LIPUS群と対照群とした。術後7日,14日,21日および28日にマイクロCTを用いて経時的に骨欠損閉鎖率を評価した。その結果,術後14日にLIPUS群のほうが対照群より骨欠損の閉鎖率が改善傾向(7.0±4.2%vs3.6±2.7%)を示し,術後21日(12.0±4.3%vs5.8±3.3%)および術後28日(18.1±6.7%vs9.8±4.5%)において両群問の閉鎖率に有意差を認めた(p<0.05)。また,組織学的評価からLIPUS群では対照群と比較して,骨膜側により多くの骨芽細胞様細胞を認めた。 本年度は,内側性臨界骨欠損に対するLIPUS刺激の骨再生に与える影響を検討するため,各種遮蔽膜のLIPUSの伝搬性について検討している。具体的には,骨再生誘導(GBR)法で用いるePTFEメンブレン,コラーゲンメンブレンおよびPLGAメンブレンそれぞれのLIPUS透過率を検討している。その結果を踏まえ,LIPUS透過性のある遮蔽膜を用いたGBR法との併用における内側性臨界骨欠損の骨再生についての検討について着手する。 本研究の現在までの結果より,LIPUS刺激は頭頂骨に作製した内側性非臨界骨欠損において,in vivoでも骨再生を有意に促進させる可能性が予想される。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究予定に掲げた,内側性骨欠損に対する骨再生については,目的を達成した。今後は,研究実績の概要に示したように,さらに臨床応用のための研究を進める予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
骨外側方向への骨増生についてはLIPUS刺激が再生部位に到達されないという問題点が挙がっている。現在,LIPUS透過性のメンブレンを模索している。
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