2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22592203
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
佐藤 淳 北海道大学, 大学病院, 助教 (60319069)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
北川 善政 北海道大学, 大学院・歯学研究科, 教授 (00224957)
山崎 裕 北海道大学, 大学病院, 講師 (90250464)
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Keywords | 咀嚼筋 / 口腔顎顔面痛 / 交感神経 / 顎関節症 |
Research Abstract |
1.家兎を用いた咀嚼筋の筋病理学的研究:生後3週齢(離乳期)の家兎の片側の交感神経を切除して、6か月後に咀嚼筋を病理組織学的に検討して交感神経が咀嚼筋の成長に与える影響を考察した。前年にN=5で実験を行ったが、平成23年度はさらにN=5を追加して行った。「結果」前年度の結果同様、交感神経の切除側での咀嚼が困難になり、切除側顎骨の劣成長が認められた。咬筋の病理組織像ではタイプ1線維が減少してタイプ2A線維が増加しているという結果が裏付けされた。「結論」交感神経の機能は筋線維の分化・成長・代謝活性に大きな影響を及ぼしていることが再確認された。 2.顎顔面疼痛患者の研究:慢性の顎顔面疼痛を有する患者20例に1kgでの咀嚼筋の加圧を行った。一方、コントロール群としてボランティアの学生、職員を用いた。「結果」咬筋、側頭筋ともに患者群で有意に筋の圧痛を訴える症例が多かった。(15/20 VS, 3/20)「結論」慢性顎顔面疼痛患者では咀嚼筋の疼痛閾値が有意に低下していた。 3.顎顔面疼痛患者における交感神経刺激下での疼痛閾値の変化:慢性の顎顔面疼痛を有する10例の患者群と疼痛を有さないボランティア群10例で比較した。下肢を冷水で冷却刺激する前後で咬筋、側頭筋の圧痛の疼痛閾値を比較した(前年度の追加)。「結果」前年度の結果同様に冷却刺激後は咬筋、側頭筋の疼痛閾値が下がる傾向が認められた。また、その低下傾向は患者群の方で大きな傾向が認められた(有意差はなし)。「結論」冷却刺激による交感神経系の活性化は通常の状態に比較して疼痛を感じやすくなっていた。またその傾向は慢性顎顔面疼痛患者に強く、慢性顎顔面疼痛患者における交感神経の関与を示唆する結果と考えられた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
顎顔面疹痛患者の症例数の増加が予定通りに増やせない傾向がある。研究の内容・意義を理解していただき、インフォームド・コンセントを得ることが容易ではなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
研究の推進のために、さらにエフォートを上げて、時間をかけて症例を集積する予定である。
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