2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22592207
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
小野 和宏 新潟大学, 医歯学系, 教授 (40224266)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
前田 健康 新潟大学, 医歯学系, 教授 (40183941)
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Keywords | 顎関節 / 関節腔 / 毛細血管 / アポトーシス / GFAP / ネスチン / 関節円板 |
Research Abstract |
本研究の目的は免疫組織化学的・微細構造学的手法ならびに分子生物学的手法を用いて顎関節関節腔形成過程における血管系の役割を明らかにすることにより、顎関節の生物学的特性の解明することである。本年度に得られた成果は以下の通りである。 1.上関節腔の形成は下関節腔形成に先行しで始まり、側頭骨と関節円板原基の間の関節腔形成予定領域に侵入し、胎生18日目にED1陽性マクロファージの貪食より間葉細胞間が拡大されて裂隙形成が生じて、上関節腔が形成された。 2.下関節腔の形成は胎生19日目に関節頭表層に沿ったCD31陽性血管内皮細胞で標識される毛細血管の進入により、関節円板原基と下顎頭の間の組織が押し広げられ、生後直後から始まる顎運動と同時期に生じる毛細血管の消失により裂隙形成が生じた。 3.顎関節関節腔形成の際の細胞数の減少や組織間隙の拡大時にはTUNEL陽性を示すアポトーシス像は認められなかった。 4.関節円板構成細胞を細胞機能と分化段階によって発現の種類が変化する細胞内骨格の中間径フィラメント(熱ショックタンパクであるHsp25、神経膠細胞に主として発現するGlial fibrillary acidic protein (GFAP)、神経上皮細胞や筋線維芽細胞や線維芽細胞様細胞,未分化細胞に発現するネスチン)に着目し、生後の発達過程および成熟した円板構成細胞の詳細な分類を行った。その結果、関節円板構成細胞は少なくとも3種(Hsp25(+)/Nestin(-)/GFAP(+);Hsp25(+)/Nestin(-)/GFAp(-);and Hsp25(-)/Nestin(+)/GFAP(-))に分類できた。また、GFAP陽性細胞およびネスチン陽性細胞は切歯萌出一臼歯萌出-咬合完成の各段階で飛躍的に増加した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究計画通り、顎関節関節腔の発生過程を検討し、上下関節腔で形成開始時期が異なること、下関節腔の形成では毛細血管が侵入することによって組織間隙が形成されることを明らかにすることができた。また、分類が未確定の関節円板細胞の細胞学的分類を順調に明らかにすることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
当初の研究計画通り研究遂行できれば、当初の研究目標を達成できる。
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Research Products
(1 results)