2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22592213
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
高橋 克 京都大学, 医学研究科, 講師 (90314202)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
別所 和久 京都大学, 医学研究科, 教授 (90229138)
清水 章 京都大学, 医学研究科, 教授 (00162694)
菅井 学 京都大学, 医学研究科, 講師 (90303891)
|
Keywords | 歯牙再生 / 歯数制御 / USAG-1 / BMP7 / 第3生歯 |
Research Abstract |
BMP7を局所投与することによって、歯数が増加させることが可能かどうかを確かめるために、E15マウス胎児より上顎の切歯部の歯胚をマイクロダイセクションし、1日器官培養した後、BMP7の組み換え蛋白局所を浸漬したゼラチンスポンジとともにマウス腎被膜下移植した。19日経過後、腎臓を摘出し、移植した歯胚を確認したころ、明らかな歯数の増加は確認できなかった。そこで、USAG-1とBMP7ダブルノックアウトマウスを用いて、歯数制御のメカニズムを更に詳細に検討するとともに、用いたゼラチンスポンジの改良を行った。上顎の痕跡的乳切歯部ではUSAG-1とBMP-7が同部位に発現したのに対し、臼歯部ではUSAG-1とBMP-7は相補的に発現していた。以上の結果から、少なくとも上顎の痕跡的乳切歯部においては、USAG-1とBMP-7が歯上皮に共発現しており、今までの結果をサポートするデータであった。更に、BMP-7+/-アダルトマウスの下顎切歯をマイクロCTにて体積を測定したところ、BMP-7ヘテロマウスは野生型に比べて体積が増大していた。USAG-1-/-アダルトマウスも同様に測定すると、USAG-1欠損マウスはヘテロに比べて体積が増大していた。そこで、USAG-1-/-とBMP-7+/-のマウスを用いて交配し、第二世代を解析した。第二世代アダルトマウスでは、USAG-1欠損BMP7ヘテロマウスの下顎切歯が他の遺伝子型よりも体積が最も大きく、また、その過剰歯はUSAG-1欠損BMP7野生型マウスの過剰歯に比べて大きい傾向がみられた。また、BMP7の遺伝子発現量の減少による体積変化のほうが、USAG-1の遺伝子発現量の減少による体積変化よりも大きいことが示された。 この結果は、ヒトにおいて第三歯堤を利用した局所でのUSAG-1の遺伝子発現量の調節による歯の再生を目指すにあたり、BMP7の遺伝子発現量を減少させることで、歯の大きさも制御できる可能性を示している。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
最初に取り組んだ局所でのUSAG-1の発現または機能抑制及びBMP7の発現または機能亢進によりin vitroで歯胚の数を増加させるシステムを確立する実験において予想通りの結果が得られなかったため、そこで、USAG-1とBMP7ダブルノックアウトマウスを用いて、歯数制御のメカニズムを更に詳細に検討するとともに、用いたゼラチンスポンジの改良を行った。
|
Strategy for Future Research Activity |
昨年より行っているように、当初設定していた研究ゴールを達成するために、再度USAG-1とBMP7ダブルノックアウトマウスを用いて、歯数制御のメカニズムを更に詳細に検討する。加えて昨年度新たに見出したBMP7、USAG-1発現量減少により歯の体積が増大するという興味深い結果に関しても詳細に検討する。
|
Research Products
(7 results)
-
[Journal Article] Id2 controls chondrogenesis acting downstream of BMP signaling during maxillary morphogenesis2012
Author(s)
Sakata-Goto T, Takahashi K, Kiso H, Huang B, Tsukamoto H, Takemoto M, Hayashi T, Sugai M, Nakamura T, Yokota Y, Shimizu A, Slavkin H, Bessho K
-
Journal Title
Bone
Volume: 50
Pages: 69-78
DOI
Peer Reviewed
-
-
-
-
-
-