2011 Fiscal Year Annual Research Report
歯原性上皮細胞の感染防御メカニズム解明に関する研究
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22592225
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
石畑 清秀 鹿児島大学, 医学部・歯学部附属病院, 助教 (10437957)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中村 典史 鹿児島大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (60217875)
小松澤 均 鹿児島大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (90253088)
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Keywords | 歯原性上皮細胞 / 細菌感染 / 歯根嚢胞 / 抗菌ペプチド / E-カドヘリン / 細胞増殖 / 口腔外科 |
Research Abstract |
本研究は,歯性感染症に対する生体防御機構における歯原性上皮細胞増殖と先天性免疫機構の関連性について明らかにすることを目的としている.本研究を遂行するため,摘出歯根嚢胞重層上皮ならびに不死化ラット歯原性上皮細胞(HAT-7)を用いた基礎的実験により,抗菌ペプチドの歯原性上皮増殖における役割ならびに歯性感染時の歯原性上皮細胞の役割について分析し,歯原性上皮細胞が増殖する種々の口腔疾患との関連性などについて検討する.以上のような検討を行うことで,歯原性上皮に由来する疾患についてのさらなる理解,また抗菌ペプチドを利用した新たな治療法開発の可能性が期待される. 今年度は,歯根嚢胞上皮摘出切片における抗菌ペプチドならびにE-カドヘリンの局在性の検討として,摘出嚢胞切片の免疫組織学的染色を行い,摘出嚢胞上皮に抗菌ペプチド(LL37,α-ディフェンシン,β-ディフェンシン1~3)ならびにE-カドヘリンが存在していることを確認した.また,ラットから抽出された歯原性上皮細胞株(HAT-7)を用いて,細菌産生内毒素(LPS),ならびに口腔内細菌暴露後の抗菌ペプチド,E-カドヘリン発現の状態を確認する目的で,HAT-7培地内に細菌産生内毒素ならび口腔内細菌を注入し,12,24時間後にRNAを回収し,HAT-7からの抗菌ペプチド,E-カドヘリン発現状況をPCRにて確認した。その結果,細菌産生内毒素暴露後24時間で,LL-37,β-ディフェンシン2ならびにE-カドヘリンの発現増強が確認された。 以上のことから,歯原性上皮細胞は,感染時に上皮由来の抗菌ペプチドを発現し,さらに細菌感染に対して細胞間接着を強固にすることで感染防禦機転に関与していることが示唆された.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画書に準じた実験方法で,23年度中に結果も得られ,国際学会での報告を行うことができた.24年度中には誌上発表を行うための実験結果が得られているため,本研究は概ね順調に進展していると想われる.
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Strategy for Future Research Activity |
国際誌への掲載を目標にしているために今年度初期には,実験結果をまとめ,早期に校正を行なっていく必要があると思われる.
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