2010 Fiscal Year Annual Research Report
IPS細胞を用いた細胞ハイブリッド型人工骨による顎骨再建に関する基礎的研究
Project/Area Number |
22592228
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Research Institution | Showa University |
Principal Investigator |
代田 達夫 昭和大学, 歯学部, 准教授 (60235760)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高見 正道 昭和大学, 歯学部, 講師 (80307058)
佐藤 華 昭和大学, 歯学部, 助教 (50551222)
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Keywords | 骨再生 / 幹細胞 / 人工骨 / 生体材料 / 顎骨再建 |
Research Abstract |
インプラントの埋入を目的とした骨増生では自家骨移植が最も有用であるとされている。しかし,大量の移植骨が必要となる場合には骨採取部の侵襲が大きくなることから,低侵襲な骨増生法の開発が望まれている。本研究ではiPS細胞を用いた骨再生の基盤技術を確立することが目的である。平成22年度はiPS細胞の骨芽細胞への分化誘導法を確立するための予備実験として,イヌ由来の骨原性細胞(BMSC)を用い,ハニカム型β-TCP(以下37H)を組み合わせた細胞ハイブリッド型人工骨を作製した。そして,この人工骨の骨再生能について形態学的,分子生物学的に解析した。また,ヒト由来の脂肪幹細胞を用い,骨芽細胞への分化誘導法について検討した。実験に用いた人工骨は直径3mm,厚さ1mmの円板状に成型され,37か所に直径300μmの孔を有するハニカム構造のβTCPである。イヌ由来の未分化間葉系細胞の多分化能は,種々の分化促進培地で分化誘導し,骨芽細胞化,軟骨細胞化および脂肪細胞化すること,さらに各細胞からAPase, osteocalcinなどのmRNA発現を確認することで評価した。各イヌの細胞を個別に培養し、サブコンフルエントの状態の細胞を2x105個/mlの濃度で人工骨とともに遠心管内で培養し、rhBMP-2(100ng/ml)を添加して骨芽細胞へ分化誘導させ,細胞ハイブリッド型人工骨として実験に使用した。その結果,人工骨にBMSCを混合しただけでは効果的な骨芽細胞への分化誘導は認められず,rhBMP-2を添加することで人工骨内に骨芽細胞を分化・増殖させることがが可能となった。また,ヒト由来の脂肪幹細胞を28日間骨分化誘導培地で培養したところ,骨芽細胞に分化させることが可能であった。この結果は,口腔内から容易に採取できる脂肪組織を利用しての骨再生の可能性を示唆するものと考えられた。
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