2011 Fiscal Year Annual Research Report
IPS細胞を用いた細胞ハイブリッド型人工骨による顎骨再建に関する基礎的研究
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22592228
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Research Institution | Showa University |
Principal Investigator |
代田 達夫 昭和大学, 歯学部, 准教授 (60235760)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高見 正道 昭和大学, 歯学部, 講師 (80307058)
佐藤 華 昭和大学, 歯学部, 助教 (50551222)
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Keywords | 幹細胞 / 骨の再生医療 / 脂肪幹細胞 / 分化誘導 / 骨芽細胞 / 人工骨 |
Research Abstract |
成熟脂肪組織由来の脂肪幹細胞から、骨芽細胞あるいは軟骨細胞を分化誘導することにより、骨再生医療に応用することが期待されている。本研究では、ADSCに化学的刺激や物理的刺激を与えることで、骨芽細胞あるいは軟骨細胞への分化誘導の可能性をin vitroで検討した。 脂肪幹細胞にBMP2、BMP7、PPARの阻害剤であるGW9662を骨芽細胞誘導培地と共にそれぞれ、または、その全てを添加し化学的刺激とした。同時に200rpmの振動を毎日1時間与え、機械的刺激とした。培養7、14および21日目の細胞について、RT-PCR法および、Western Blotting法によって骨芽細胞および軟骨細胞のマーカー遺伝子および、タンパクの発現を解析した。さらに、細胞染色(クリスタルバイオレッド、トルイジンブルー、アリザリンレッドおよびALPase活性染色)および比色定量法によって、脂肪細胞、骨芽細胞、並びに軟骨細胞に関する分化形質発現を評価した。 BMP2、7を添加した群では、マーカー発現および形質発現において、主に軟骨細胞様細胞への分化を認めた。一方、GW9662を添加した群では、主に骨芽細胞様細胞への分化を認めた。さらに、BMP2、7、GW9662を共に添加した群では、両者の形質を同時に具有する細胞への分化を認めた。また、機械的刺激を与えた群では、化学的刺激の有無にかかわらず、細胞増殖が顕著で、かつ、骨芽細胞および軟骨細胞への分化マーカー遺伝子の早期的・持続的発現を認め、両者の形質を同時に具有する細胞への分化を認めた。 化学的・機械的刺激により、骨芽細胞または軟骨細胞、あるいはその両者の形質を具有する細胞に分化調節できることが明らかとなった。 脂肪幹細胞に化学的刺激と機械的刺激の複合を与えることによって、遺伝子導入を伴わない自家骨再生療法の可能性が明らかとなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
骨芽細胞への分化誘導が安定した結果が得られていない。
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Strategy for Future Research Activity |
このまま予定通り研究を遂行する。
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