2010 Fiscal Year Annual Research Report
歯の形成・発育におけるメラトニンの生理学的役割と歯の再生医療
Project/Area Number |
22592233
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Research Institution | Tsurumi University |
Principal Investigator |
橘 竜佑 鶴見大学, 歯学部, 臨床助手 (80514926)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
里村 一人 鶴見大学, 歯学部, 教授 (80243715)
舘原 誠晃 鶴見大学, 歯学部, 助教 (90380089)
山本 英雄 鶴見大学, 歯学部, 講師 (10220493)
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Keywords | メラトニン / 歯の再生 / 歯 |
Research Abstract |
高齢化社会を迎えた我が国において、歯の喪失は多くの高齢者に認められ、その大部分は人工物による機能補填がなされているのが現状である。これからの社会環境において、歯の再生医療実現は最も望まれる研究分野の一つであり、その意義は国民のQOL向上の観点からも大きいと考えられる。近年歯の再生に関する研究成果が報告されつつあるが、未だ歯の完全な再生はなされておらず、またこれまで報告されている方法では、その再生に長期間を要する。これらのことから、歯の再生医療実現にはその再生技術自体の開発とともに、歯の形成を促進するような方法が必要であると考えられる。これまでにわれわれは、多彩な生理作用を有する松果体ホルモンであるメラトニンが、骨形成を促進するという事実を報告してきた。このことから、顎骨内で形成される歯の形成・発育にも何らかの生理的役割を担っている可能性に着目し、本研究では、メラトニンの歯の形成・発生・発育における生理的役割を明らかにするとともに、歯の再生医療へのメラトニンの応用の可能性について検討することを目的とし、以下の検討を行った。まず、ヒト歯胚およびマウス歯胚を用いて、メラトニン1aレセプターの発現につき免疫組織化学的検討を行ったところ、各種歯原性細胞においてその発現が確認され、メラトニンに対する受容体の中でも機能的役割が大きいと考えられる1aレセプターが発現していることから、歯の発生過程においてメラトニンが何らかの生理学的役割を持つことが示唆された。さらに、ヒトならびラット歯原性細胞において、in vitroでもメラトニン1aレセプターの発現が確認された。今後は歯原性細胞の増殖、分化に対するメラトニンの影響についてin vitroにおいて詳細に検討を加え、歯の発生過程の分子機構について検討する予定である。
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Research Products
(2 results)