2012 Fiscal Year Annual Research Report
Notchシグナルを標的とした新規口腔扁平上皮癌治療に関する研究
Project/Area Number |
22592241
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
比地岡 浩志 鹿児島大学, 医学部・歯学部附属病院, 講師 (70305150)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石田 喬之 鹿児島大学, 医学部・歯学部附属病院, 助教 (20404501)
宮脇 昭彦 産業医科大学, 大学病院, 講師 (40200216)
瀬戸口 啓夫 鹿児島大学, 医歯(薬)学総合研究科, その他 (40423727)
小宮 節郎 鹿児島大学, 医歯(薬)学総合研究科, 教授 (30178371)
中村 典史 鹿児島大学, 医歯(薬)学総合研究科, 教授 (60217875)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 口腔癌 / Notchシグナル / EMT / 低酸素 |
Research Abstract |
本研究は口腔扁平上皮癌(以下、OSCC)におけるNotchシグナルの役割とその機序を解明し、新規分子標的治療の可能性を探るものである。われわれはこれまでにOSCC細胞株および患者検体を用いた実験で、両者ともNotchシグナルが発現・活性化していることを確認した。またγ-secretase inhibitor(以下、GSI)によってNotchシグナルを阻害したところ、Notchのターゲット遺伝子であるHes1が有意に減少し、OSCC細胞の増殖が抑制されることを見出した。 さらに癌の微小環境とNotchの関係に着目し、低酸素環境におけるNotchの発現とその意義を明らかにした。つまり低酸素環境下(1%O2)では正常酸素下(20%O2)に比べ、OSCC細胞のNotchシグナル関連分子が強発現しており、転写因子Snailの発現増加およびE-cadherinの発現低下を認めた。また低酸素環境下ではOSCC細胞の遊走能および浸潤能が亢進したが、GSIを添加しNotchシグナルを阻害したところ、E-cadherinの発現が増加し遊走能、浸潤能ともに低下した。 以上より、低酸素環境においてOSCC細胞はNotchシグナルが活性化し、Snailの強発現およびE-cadherinの発現が抑制され、EMT(上皮間葉転換)を誘導することが示唆された。これらの結果はNotchシグナルがEMTに重要な役割を担っていることを示しており、NotchシグナルがOSCCに対する治療標的になりうることを裏付けるものであると思われた。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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