2012 Fiscal Year Annual Research Report
自家神経移植の新たなドナーの臨床応用をめざしてー歯髄神経を用いてー
Project/Area Number |
22592251
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
松下 和裕 北海道大学, 歯学研究科(研究院), 助教 (10399933)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 歯髄 / 神経移植 / 自家移植 |
Research Abstract |
歯の神経を神経移植の際のドナーとして活用する実験を異種移植の系で行った。ヒトの抜去歯から歯髄を採取し、凍結融解法で処理して抗原性を低下させ、雄SDラットの坐骨神経の切断部位(10mm)に移植した。その際、神経を直接縫合することは困難であるため、人工神経としても利用可能なキトサンチューブの内部に歯髄神経を填入し、顕微鏡下でチューブの近位側、遠位側を坐骨神経の神経外膜に8-0の糸で縫合した。移植後12週ならびに32週後に犠牲死させ、組織学的に検討した。トルイジンブルー染色、免疫組織染色、電子顕微鏡(TEM)でヒト歯髄神経のシュワン細胞の基底膜を利用して、新生軸索が中枢側から伸展していることが認められ、Journal of Neuroscience Methodに投稿し平成24年4月publishされた。 ただ、今回の実験では、凍結融解法で抗原性を有する細胞を死滅させたが、その残骸は残っており、その貪食処理のため神経軸索の伸展に時間がかかっていることが推察された。よって、より効率の良い神経架橋材料の開発するため、脱細胞化の技術を取り入れた。これは、細胞骨格のみ残して、抗原性を示す細胞成分のみを除去する技術であるが、コラーゲンへの障害や全体のボリュームが減少するため力学的強度が低下した。処理時間や濃度の調整も行ったが、可及的に太い神経を使うことがまず必須と考えられた。ただ、効率良く神経を再生するためには、本処置が有効である感触は得られ、強度増強の意味合いでキトサンナノメッシュチューブでの被覆が合目的とも思われた。 なお、日本キチン・キトサン学会から特別セッションでの口演を依頼され、7月12日発表した。また、アジア口腔外科学会で平成24年11月16日にポスター発表し、斬新な実験として注目を浴び多くの質問を受けた。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(3 results)