2012 Fiscal Year Annual Research Report
口腔内炎症モデルでの視床下部ー下垂体ー副腎皮質系と脳内サイトカインの反応について
Project/Area Number |
22592258
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
前田 茂 岡山大学, 大学病院, 准教授 (50253000)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮脇 卓也 岡山大学, 医歯(薬)学総合研究科, 教授 (00219825)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 炎症 / 視床下部 / CRH / 糖質コルチコイド / HPA axis |
Research Abstract |
感染,外傷および手術などによって,外出,会話,食欲などの意欲が減退する。これは,sickness behaviorと呼ばれる症状であり,末梢で分泌された炎症性サイトカインが中枢へ作用することによって,中枢での炎症性サイトカインのレベルが上昇し,HPA axis(視床下部-下垂体-副腎皮質系)を活性化することが,機序のひとつである。本研究では口腔内の炎症モデルにおける,HPA axisの反応を調べることを目的とした。 絹糸をラットの歯根周囲に結紮し歯周病モデルと,LPSをラットの口蓋歯肉に注射することによる口腔内の炎症モデルを作製した。いずれにおいても,視床下部のCRH (corticotropine releasing hormone) mRNAおよびIL-1β mRNAをリアルタイムPCRによって比較定量的に解析した。さらに血液中のGC(glucocorticoid)濃度の変化を測定した。またマウスを用いて同じように口外歯肉へLPSを注射してモデルを作製し,視床下部室傍核におけるCRH mRNAの発現をin situ hybridizationにより調べた。 歯周病モデルでは,視床下部のCRH mRNAレベルが上昇していたが,血液中GC濃度には変化が見られなかった。LPSを歯肉に注射したモデルにおいては,GCのレベルが有意に上昇し,また視床下部IL-1β mRNAも有意に上昇した。また視床下部におけるCRH mRNAの局在を調べたところ,室傍核でその発現が明らかに増強されていた。 以上の結果から,口腔内の炎症はHPA axisを活性化するとともに中枢神経系での炎症反応を惹起することが示唆された。そして口腔内の炎症は歯周組織にとどまる場合には,HPA axisへ作用も限られるが,症状が強まるにつれてsickness behaviorを引き起こす可能性が強まると思われた。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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