2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22592259
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
富岡 重正 徳島大学, 大学院・ヘルスバイオサイエンス研究部, 准教授 (70188770)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
里村 一人 鶴見大学, 歯学部, 教授 (80243715)
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Keywords | 再生 / 末梢神経 / 麻酔薬 |
Research Abstract |
我々はすでに樹立した複数のマウス多能性骨髄間質細胞株を用いてin vitroにてシュワン細胞への分化誘導をおこなっている。効率良く分化誘導を行うためには、骨髄間質細胞を一度未分化状態にしてからシュワン細胞へ誘導した方が良いことが分かった。つまり、培養下の骨髄間質細胞を無血清培地で還元剤であるβ-メルカプトエタノールにて24時間処理を行い、その後にαMEM培地にレチノイン酸(all-trans-retinoic acid)を加えて3日間程度培養し、最後にforskolin (FSK)、basic-FGF、血小板由来成長因子-AA(PDGF)およびheregulin-β1 (HRG)を同時に培地に加えることによって、骨髄間質細胞からシュワン細胞への分化誘導効率が上昇した。本年度は昨年度と同様、forskolin、basic-FGF、PDGF、およびheregulin-β1の至適濃度についても検討をおこないながら、形態学的にシュワン細胞の確認をし、シュワン細胞の分子マーカーであるS-100、GFAP、p75、O4、P0を用いて免疫組織染色をおこないシュワン細胞の同定をおこなう。 一方、骨髄間質細胞から分化誘導したニューロンは、分化誘導前後に添加した麻酔薬によってその分化誘導が阻害される可能性があることが分かった。そこで本年度は、分化誘導前後に麻酔薬(全身麻酔薬であるプロポフォール、局所麻酔薬であるリドカインなど)を様々な濃度で骨髄間質細胞へ添加することによって、骨髄間質細胞からシュワン細胞への分化誘導がどのように影響を受けるか、また分化誘導が阻害された場合にリバースさせる効率的な因子について、シュワン細胞の分子マーカー発現を指標にin vitro実験を行う予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究分担者の大学が関東にあり、実験計画や実験経過について密に連絡を取ることができないことが原因で計画通りに進んでいないと考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
研究分担者との研究打合せの機会をもっと増やして、実験が円滑に進むようにしたい。これまでは、骨髄間質細胞からシュワン細胞へ分化誘導するin vitro実験はすべて研究分担者に分担してもらっていたが、今後は研究代表者と研究分担者の両大学で同時に同様の実験を進行させながら実験結果について互いに意見交換をおとない、最善の研究結果が迅速に得られるように改善したいと考えている。
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