2010 Fiscal Year Annual Research Report
低酸素環境下の睡眠時の低酸素症に対する口腔内装置の効果ー呼吸パターンの解析からー
Project/Area Number |
22592267
|
Research Institution | Tsurumi University |
Principal Investigator |
野口 いづみ 鶴見大学, 歯学部, 准教授 (60103545)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
笹尾 真美 鶴見大学, 歯学部, 助教 (00205832)
|
Keywords | 低圧低酸素 / 低酸素症 / 口腔内装置 / Spo2 / 睡眠時無呼吸 / 脈拍数 / 富士山山頂 / 呼吸パターン |
Research Abstract |
富士山山頂測候所跡地の研究施設(3776m)で睡眠時の口腔内装置装着が呼吸動態へ及ぼす効果について検討した。男性8名を対象とした。年齢は53.6±10.0(38~67歳)、体重71.7±9.1kg(65~88kg)、BMI23±3.5(20.0~31.2)であった。富士山山頂に2泊し、4名は1泊目に口腔内装置を装着せず(口腔内装置無群)、2泊目は装着して宿泊し(口腔内装置有群)、残り4名はその逆の順序で行なった。測定にはスリープターLS-300(フクダ電子株式会社)を用いた。結果は、Spo2値と脈拍数は、口腔内装置無群ではSpO2値68.0±8.8%、脈拍数80.3±10.9回1分であり、有群ではSpO2値71.2±7.5%、脈拍数75.4±10.4回/分であった。無群に比較して有群ではSpO2値は高く(p<0.01)、脈拍数は少なかった(p<0.01)。ODI(SpO2降下指数)とAHI(無呼吸低呼吸指数)は、無群ではODI 49.3±30.7回/時、AHI 50.2±30.9回/時であり、有群ではODI 46.2±30.8回/時、AHI 44.8±30.3回/時であり、有群ではODIとAHIは少ない傾向があった。OSA(閉塞性無呼吸指数)、CSA(中枢性無呼吸指数)、MSA(混合性無呼吸指数)は、無群ではOSA 155±122回、CSA 254±327回、MSA 17±26回であり、有群ではOSA 142±124回、CSA 191±280回、MSA 9±9回であった。有群ではOSA、CSA、MSAは少ない傾向があったが、3群間に有意差はなかった。以上の結果から、口腔内装置は低酸素症に対して予防効果がある可能性があるが、無呼吸のパターン分類からは、特に閉塞性無呼吸に効果的であるかは明らかでなかった。高所における睡眠時の低酸素症には中枢性無呼吸も関与している可能性がある
|
Research Products
(1 results)