2012 Fiscal Year Annual Research Report
低酸素環境下の睡眠時の低酸素症に対する口腔内装置の効果ー呼吸パターンの解析からー
Project/Area Number |
22592267
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Research Institution | Tsurumi University |
Principal Investigator |
野口 いづみ 鶴見大学, 歯学部, 准教授 (60103545)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
笹尾 真美 鶴見大学, 歯学部, 助教 (00205832)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 富士山 / 口腔内装置 / 低酸素症 / 高山病 / 閉塞性無呼吸 / 睡眠時 / 動脈血酸素飽和度 / 低圧低酸素室 |
Research Abstract |
睡眠時には舌根が重力で咽頭部に沈下して上気道が閉塞し、呼吸障害を起こす場合がある。酸素分圧が低い高所では一層低酸素症が顕著になる危険がある。閉塞性無呼吸の患者に使われる口腔内装置(スリープスプリント)は下顎を前方に引き出して舌の落ち込みを防ぐ効果があり、小型軽量で登山時の携行に利便性が高い。高山病は睡眠時に悪化する傾向がある。高所でも低酸素症を改善させ、高山病を軽減させる効果があるかについて明らかにする目的で、低圧低酸素室と富士山山頂で検討した。 低圧低酸素室では5名の成人男性を対象としてパルスオキシメータPULSOX-300i(コニカ・ミノルタ社製)を用いて口腔内装置の効果を検討した。その結果、口腔内装置の装着により、睡眠時の動脈血酸素飽和度(Spo2)は5%程度上昇し、脈拍数は5回/分程度減少した。富士山山頂では8名の成人男性を対象とした。被験者を富士山山頂で2泊させた。測定は睡眠評価装置スリープテスタLS-300(フクダ電子社製)とパルスオキシメータPULSOX-300i(コニカ・ミノルタ社製)を用い、Spo2、脈拍数、呼吸動態を測定した。 その結果、SpO2は、口腔内装置装着によって65.8±7.7%から70.7±5.5%へ上昇し、脈拍数は73.5±8.2回/分から74.7±6.8回/分へ上昇した。口腔内装置の装着によってSpO2が30%程度上昇する者もいた。呼吸動態は、閉塞性、中枢性、混合性無呼吸のいずれも口腔内装着装置の装着によって減少する傾向がみられ、特に閉塞性無呼吸の減少が大きかった。口腔内装置の装着により、頭痛などの高山病の症状のスコアが減少した。 以上の結果から、口腔内装置は閉塞性無呼吸を軽減して睡眠時のSpO2の低下を平均値で4%程度減少させて低酸素症を改善させ、高山病の症状を軽減させ、高所における事故の防止に役立つ可能性があると考えられた。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(2 results)