2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22592268
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Research Institution | Matsumoto Dental University |
Principal Investigator |
富田 美穂子 松本歯科大学, 歯学部, 准教授 (00366329)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小野塚 実 神奈川歯科大学, 歯学部, 教授 (90084780)
安藤 宏 松本歯科大学, 歯学部, 講師 (30312094)
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Keywords | 疼痛 / 環境 / fMRI |
Research Abstract |
我々は、痛みの認知を抑制する環境を調べる目的でこのような研究を実施している。本年度はボランティア20名に、CO2レーザーで足首に痛み刺激を与えた時、6種類の条件下で感じる痛みの程度をVAS(visual analogue scale)を用いて評価してもらった。CO2レーザーの出力を1.0W、照射時間を0.02sec、照射モードをREPEATに設定し、チップヘッドに#08Sのニードルチップを装着したCO2レーザー(Opelaser Lite:ヨシダ株式会社)を用いて、チップの先と皮膚の距離を5mmとしてレーザーを照射した。右足の踝付近の5か所にマークを付け、各点1秒間の照射を10秒間隔で与え、次の条件i)-vii)面での刺激に対しての痛みの認知程度をVAS値で評価し、それぞれを比較した。i)侵害刺激を与える。ii)箸を噛みしめている状態で刺激を与える。iii)無味のガムを噛んでいる時に刺激を与える。iv)飴をなめている時に刺激を与える。V)味付のガムを噛んでいる時に刺激を与える。vi)テンポの良い音楽を流して刺激を与える。vii)ゆっくりとした音楽を流して刺激を与える。これらの結果、条件i)-v)に対してvi)vii)では同様の痛み刺激に対して認知程度が有意に低値を示した。 また測定部位(腕・足首・口腔内-歯肉・舌・頬粘膜)において、双極電極を通して知覚・痛覚定量分析装置(Pain Vision PS-2100N: Nipro)から流れる電流に対する最小感知電流値を測定し(コントロール閾値)、さらに、同部位の疼痛閾値を定量する(痛覚のコントロール値)。そしてこれらの閾値が2種類の音楽を聴くことによりどのような変化があるかを調べた。上記の2つの方法より、音楽を聞いている時は、同刺激に対しても痛みの感受性が低下するという結果が得られた。今後は痛みに対して脳内のどの部位に抑制がみられるのかを、fMRIを用いて調べていく予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究の進行状況は計画通りに進んでいるが、研究する時間が限られているために被験者数は当初の予定よりやや少なめである。
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Strategy for Future Research Activity |
昨年と同様に、知覚・痛覚定量分析装置(Pain Vision PS-2100N: Nipro)を用いて、痛覚閾値の定量および条件を与えた時のその閾値の変化を調べていく。また、今年度はfMRIを用いて足首に侵害刺激を加えた時の脳内の活性化部位を特定し、バラードやポップスの音楽を聞かせながら同様の侵害刺激を与えた時の画像を撮影する。それらの画像を解析して活性化部位の変化と活性化程度を明らかとする。
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Research Products
(7 results)