2010 Fiscal Year Annual Research Report
パールカンが関与する上皮索基底膜消失から検討した口蓋裂発生メカニズムの研究
Project/Area Number |
22592269
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Research Institution | Aichi Gakuin University |
Principal Investigator |
菅原 利夫 愛知学院大学, 歯学部, 客員教授 (10116048)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平田 あずみ 大阪大学, 大学院・工学研究科, 特任研究員 (40263587)
南 克浩 愛知学院大学, 歯学部, 講師 (70346162)
藤原 久美子 愛知学院大学, 歯学部, 助教 (60404737)
井村 英人 愛知学院大学, 歯学部, 非常勤助教 (10513187)
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Keywords | 口蓋突起 / 口蓋裂 / 基底膜 / ヘパラナーゼ / パールカン |
Research Abstract |
左右の口蓋突起が癒合することで、口蓋形成が行われるが、この際、口蓋突起の基底膜が断裂・消失しなければ、左右の口蓋突起の癒合が行われず、口蓋裂が発症すると考えられている。 口蓋突起基底膜はIV型コラーゲン、ラミニン、ヘパラン硫酸プロテオグリカンであるパールカンなどによって構成されている。一方、パールカンは5つのドメインからなるコアプロテインとドメインIに結合する3本のヘパラン硫酸鎖からできている。また、口蓋突起の基底膜の断裂・消失には基底膜を構成する成分に対する特異的酵素に分解が必要である。 これらのことから、ヘパラン硫酸特異的エンドβ-D-グルクロニダーゼであるヘパラナーゼがパールカンのヘパラン硫酸を切断することにより基底膜を分解すると考えられるため、本研究では、口蓋突起癒合時の基底膜の断裂・消失の過程をパールカン、ヘパラナーゼの局在から解析して、口蓋裂発症のメカニズムを解明するものである。 (研究方法) C57/BL10マウス胎児の胎生13.5日,胎生14.5日,胎生15.5日,出生後の口蓋部を用いた。基底膜の構成成分であるラミニンとパールカンの二重染色による蛍光顕微鏡で観察した。ヘパラナーゼはマウスヘパラナーゼの28-45aaに対する抗マウスヘパラナーゼポリクロナール抗体を作製し免疫染色した。 (結果とまとめ) 1. 口蓋突起癒合期には,上皮索基底膜においてパールカンおよびコラーゲンIVの消失が観察された. 2. 口蓋突起上皮細胞が分泌したヘパラナーゼはパールカンのヘパラン硫酸鎖に抱合されている増殖因子を遊離・活性化することにより間葉系細胞の分化・増殖を惹起する可能性が推測された. 3. 口蓋突起上皮細胞が分泌したMMP(matrix metalloproteinase)はコラーゲンIV分子を細分化することで,上皮索基底膜の分解に関与することが示唆された. 口蓋突起基底膜のパールカン、コラーゲンの動態を観察することで基底膜の分解のメカニズムの一端が解明された。今後は口蓋骨の形成に与えるパールカン、ヘパラナーゼの動態を明らかにするつもりである。
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Research Products
(3 results)