2011 Fiscal Year Annual Research Report
パールカンが関与する上皮索基底膜消失から検討した口蓋裂発生メカニズムの研究
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22592269
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Research Institution | Aichi Gakuin University |
Principal Investigator |
菅原 利夫 愛知学院大学, 歯学部, 客員教授 (10116048)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平田 あずみ 京都府立大学, 生命環境科学研究科, 特任助教 (40263587)
南 克浩 愛知学院大学, 歯学部, 講師 (70346162)
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Keywords | 口蓋裂 / 発生メカニズム / パールカン / 上皮索基底膜 / 口蓋突起 |
Research Abstract |
【目的と結果】 口蓋突起癒合期における基底膜型プロテオグリカン(パールカン)およびその特異的分解酵素ヘパラナーゼの動態に着目し、上皮索基底膜断裂と口蓋形成のメカニズムについて免疫組織化学的に検討した。更に、口蓋形成に深く関与している口蓋骨形成について骨形成マーカーの動態を検討し次の結果を得た。 1.口蓋突起癒合期には,上皮索基底膜においてパールカンおよびコラーゲンIVの消失が観察された。 2.口蓋突起上皮細胞が分泌したヘパラナーゼはパールカンのヘパラン硫酸鎖に抱合されている増殖因子を遊離・活性化することにより間葉系細胞の分化・増殖を惹起する可能性が推測された。 3.口蓋突起上皮細胞が分泌したMMPはコラーゲンIV分子を細分化することで,上皮索基底膜の分解に関与することが示唆された。 4.Hoxcは口蓋形成初期には口蓋突起間葉系細胞に、口蓋突起水平位時には口蓋突起上皮および口蓋突起基部に集積する骨芽細胞に観察された。 5.口蓋突起癒合期には上皮索、上皮島、上皮トライアングルにHoxcが観察され、癒合期上皮組織の消失にHoxcが関与する可能性が示唆された。 [結論] 基底膜型プロテオグリカン(パールカン)およびその特異的分解酵素ヘパラナーゼは上皮索基底膜の分解に関与し、口蓋突起の癒合に深く関わることが示唆された。 また、Hoxc5は口蓋突起の増殖と分化および口蓋骨の形成に関与することが明らかになった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
予備実験で得られた予測の通りの結果が得られ、当初の計画の通り順調に進行している。
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Strategy for Future Research Activity |
口蓋裂の発生のメカニズムの解析として、口蓋突起の癒合の面からの解析が行なわれていたが、新しい解析法として口蓋骨の骨形成の面から骨形成マーカーであるRunx2、Osterix、Osteopontinの動態の変化から口蓋裂発生メカニズムを追及してゆく予定である。
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Research Products
(3 results)